私には小さいものを含めれば将来の夢がたくさんある。
その中で絶対に実現したい夢2選がある。
病気にかかったからこそ再認識した夢だ。

◎          ◎

1つめの夢は、「おにぎりとお味噌汁」のお店を開くこと。
小さい店舗でいい。自宅兼店舗なんて素敵だと思う。
希望は、日本家屋や古民家でやりたい。昔ながらの雰囲気漂う場所にしたい。
お子様連れ歓迎、障害ありでも来れる、のんびりとした近所の憩いの場でありたい。

今、私は病気で食欲が湧きにくく、特に白いご飯は食べたいと思えなかった。
食べないと、と思って1日に食べる食事は、シュークリーム1つなんてザラだ。麺なら食べられるかもと無心で麺をすする時もあった。
そんな日常の中、ある日、旦那さんへおにぎりを握っていた。ふっと羨ましいと感じ、自分の分も握ってみた。
おにぎり食べるなら、せっかくだしお味噌汁も欲しいと思い、インスタントだが、お味噌汁も添えた。
食べた瞬間、涙が零れ落ちた。

家族旅行や遠足、運動会などの行事の時、地元の町から街へと帰る電車内、約1年の海外留学後の最初のご飯。
いつも傍らには、「母のおにぎりとお味噌汁」。
私にとって、「おにぎり+お味噌汁=幸せの味」だ。
日々生きることに必死ですっかり忘れていた。

その日から1日1食ながら、ご飯を食べたいという感情が戻り、少しずつ食べられるようになってきている。
「おにぎりとお味噌汁」で、誰かの支えになれるようなお店にしたい。小さな支えでいい。癒される、そんなお店を開きたい。

◎          ◎

2つめの夢は、マスターズの大会に出場すること。
運動が元々得意で、小さい頃から、水泳、バドミントン、陸上、空手、と色々なスポーツを経験した。
小さい頃、スポーツ選手にあこがれていた。でも、なれなかった。違う。なろうと努力しなかった。
社会人になってからは忙しく、運動から遠ざかっていたのだが、社会人2年目で病気を患った時に、体力が失われている自分に愕然とした。
これはまずいと思い、趣味にできそうなスポーツを探しまわって出会ったスポーツは、フットサルだった。始めて約2年後には、病気が寛解し、女子チームに所属してプレイしているから驚きだ。
結局、また病気が再発し、今は運動どころか歩くので精一杯だ。でも治療する原動力は「スポーツをすること」だ。
ある日、目にした駅構内の広告。
「ワールドマスターズゲームズ」という概ね30歳以上なら誰でも参加可能な大会の広告だった。
その頃は、まだ26歳頃だったと思う。
もしかして、小さい頃の夢だったスポーツ選手みたいな事できる?と思って検索魔になった。検索した結果、年齢制限以外何も制限のない大会だった。
つまり、私も30歳を過ぎれば出られる。
それからの目標は、楽しくいろいろなスポーツを続ける、そして、「この大会に出ること」にした。
2021年に国内初開催予定だった大会がコロナで延期。2027年に開催を目指しているとなっている。その頃には、私は年齢制限突破。

さて、病気に負けている場合ではないな。
社会復帰した後の私は、きっといそがしい。