文字を書くことが好きだから始めたライターの仕事。好きだけど、専業で食べていけるレベルには到底及ばない。

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小さい頃から文字を書くのが好きで、パソコンには触れていた。大人になり、自分の働き方を見直したときにチャレンジしたwebライター。

文字を書くことは楽しい。タイピングが昔よりも早くなっているのも嬉しい。原稿が完成したとき、達成感で満ち溢れる瞬間が好きだ。カタカタとリズム良くなるキーボードの音も心地よい。音を聞き、自分の世界に入り、指が勝手に動くときは、とても調子の良いとき。いつもより早いタイピングで、いつもより文章が浮かぶ頭の回転。書いている世界が目の前に広がって、状況をリアルタイムで書いているかのような没入感を味わえる。俗に言う、ゾーンに入ったとき、の感覚だろう。

しかし、常にスラスラと書けるわけではない。産みの苦しみは当たり前に存在する。

どちらかというと、文章を「作る」のはあまり得意ではない。キャッチコピーやワンフレーズを考えるのは好きだが、長い文章を考えていると、何が言いたいかわからなくなってくる。1文にいくつも言いたいことを詰めて、ゴチャゴチャとした展開で句点をつけるのだ。
言いたいことが伝わらなくなったなら、そこで私の仕事は終わる。そのまま放置していて言い訳がない。続きが書けなくなったとき立ち止まるのだが、次を書き始めるのに時間を大量に必要とするときがある。

なぜ、書けなくなるのか、これにはひとつのルールが関係しているのかもしれない。

ライターをするときに決めた、ひとつのルールがある。得意ジャンルは持たないようにする、ということ。
もともと、得意分野として誇れるものがなかったというのが本当のところだ。けれど今は、ジャンルを限定してしまうよりいろんな世界を知りたいと思い、ルールは改変せず仕事をしている。

それが故に書きにくい分野や、分からないことだらけの未知との遭遇になる分野もあるが、仕方がない。新たな挑戦だと思えば、自分の身になっていることは確かだ。

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言葉をつづる楽しさと、仕事としての責任感と、産みの苦しみを味わうことができるwebライター。原稿を書いて収入を得ているが、今はまだ生活できるレベルとは言えない。今自分が稼いでいる金額は、毎月のお小遣い程度だ。アルバイトをしている大学生のほうがよっぽど稼いでいるだろう。すぐに会社員と同様の給料にはならず、今は副業として活動している。

休みの日はひたすらパソコンに向かう。好きだから、この時間は苦しくはない。だけど、目標が無いとだらけてしまうのも事実。今日はいくら稼ぐ。今月はいくら欲しい。ビジョンを掲げることで自分が達成すべきノルマを作り、実行するのが今の私のスタイルだ。

ちなみに今月の目標は月5万円。本業の給料にプラスして、今の生活が楽しめるようになるための余裕が欲しいから。なかなか達成が難しく、試行錯誤していたときもあったが、今は射程圏内に入っている。この事実がとても嬉しい。

好きだから、続いているwebライター。好きだけど産みの苦しみは当然あり、生活していくのには十分とは言えない収入。

もっと収入を増やすのに効果的なコンテンツや仕事はあるのではないかと考えてしまうこともある。しかし、今みたいにパソコンに向かっている時間は休日の私の過ごし方として定着しつつあり、むしろwebライターとしての時間がない方が苦しくなる。
ひとりで黙々と、自分の世界を広げながら仕事をするのが楽しいから、「好きだけど」があっても続けられている。

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今後の目標は、さらに収入を増やして本業をやめること。
社会では、一般的にFIREと言っただろうか。
それと同時に、生活を豊かにするための目標もできた。こんな暮らしがしたい。あのアイテムと一緒に仕事を進められたら最高だな。今よりもっと余裕のある暮らし方ができるといいな。など夢は膨らむ。

また別のテーマで書いてみるとしよう。
自分の中の、webライターとしてのビジョンを。

多くの人が「好きだけど」と諦めてしまう。仕事も、恋愛も、夢も。
webライターとして働いている今の私は、「好きだけど」で諦めてしまうと、きっと心のなかでくすぶり続ける気がする。だから続ける。好きだから乗り越えられた「好きだけど」になるように、私はこれからも文字を書き続ける。