2023年1月某日、昨年夏に山形旅行に行った時に戯れに出してみた懸賞が当たって送られてきた「山形特産品セット」の中のお餅を、同じセットに入っていた「やきもち醤油」というお餅専用の?お醤油につけて食べてみたらすごく美味しかった。「美味しいお醤油ねえ」とひとりごちながら、ラベルを見ると、お砂糖が入っている。あっこれは砂糖醤油か、そりゃあ美味しいわけだ、と思った時、わたしは砂糖醤油というものをここ5年間くらい忘れ去っていたことに気づいたのだ。

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砂糖醤油といえば、同居していた父方のおじいちゃんとおばあちゃんがまだ生きていた頃、我が家では割と頻出していた調味料だ。小皿に十分な量のお醤油を垂らし、そこにスプーンひとさじのお砂糖を入れて、お箸でチャカチャカと混ぜるだけ。お餅につけて食べていたんだっけ?と一瞬思ったけどそうじゃない、おばあちゃんお手製の謎のお団子を食べる時に作っていたのだった。

当時は当たり前に受け入れていたけど、今となっては「あれはなんだ?」というようなお団子。ビジュアルだけははっきりと思い出せる。お団子なのか?うまく言い表せなくてとりあえずお団子と言ってみるがあれはなんだろう、平たい形状だったので、お米で作るホットケーキ?いやでも茹でていたのでやっぱりお団子か。ただ、サイズが手のひら大なのでお団子と言うにはあまりに大きすぎる。この世にこんなに言語化しづらいものがあるのかとびっくりする。

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残念ながら作り方の詳細が思い出せないのだが、お米を何かと混ぜて平たくして、そこに溶き卵をつけてつなぎにして、お鍋に入れて茹でていたような気がする。おやつというよりも食事の扱いで、おばあちゃんがそのお団子を茹でているのにたまたま遭遇すると、昼ごはんとして一緒によく食べていたものだ。

お手伝いして、と言われて一緒に作ったことも何度もあるけど作り方をきれいさっぱり忘れている。受動的なお手伝いだったな。たくさん作って冷凍して、料理する気力がない時の作り置きにもしていた。

おいしい、おいしいと思ってモリモリ食べていたけど、もしわたしがこの家に嫁いできた人だったら「なにこの料理?」と思っていたと思う。正直どう思っていたのか、母親に聞いてみたい。思い返してみると、母親は手をつけていなかったかもしれない…。

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材料は何でできているかの記憶さえもあやふやなこのお団子、もう食べることはできないんだなぁと今更気づく。でも気づけただけでも嬉しい。山形のお醤油、ありがとう。

そして、後日譚。3月に実家に帰った時に、父親に、「おばあちゃんの作ってたお米を茹でたやつ、覚えてる?」と訊いてみた。そして「今思えばあれはなんなの?」とも。父は「当時からあれは何?と思っていた」そうだ。実の息子でさえそう思うおばあちゃんの謎料理……。

もしおばあちゃんにもう一度会えるなら聞いてみたい。「あれはなんていう食べ物?」って。確か何かしらの名前で呼んでいたと思うんだよなあ。