彼女とは、セフレを募集する掲示板で知り合った。そこではお互いの写真交換をして、お互い気に入れば会うというのがセオリーなのだが問題があった。…彼女から送られてきた写真の顔が良すぎるのだ。男装の麗人、麗しいという言葉がこれほど似合う人はいない。だから私はこれはどこかから拾ってきた画像で、詐欺なのだと、もしくは加工を沢山したものであり騙されているのだと思った。掲示板での出会いではそういうことがよくある。そう思ったけど一縷の期待を込めて会うことにした。

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写真のままの顔がいた。身長が高い、声が低い。ライトなV系みたいな雰囲気。そして付かず離れず中途半端にすごくすごく、優しい。こちらを決して否定しない。会って30分でもわかる、いかにもメンヘラに好かれそうなタイプ。

「メンヘラに好かれるでしょう？」

「それ他の人にも言われた、なんでわかるの？」

だってメンヘラである私のレーダーが反応したのだから。これはやばい。体の相性もよかった。相手も私を気に入ってくれたようで関係は続くこととなった。一目惚れ、だとおもってた。一目惚れは長くは続かない、そう思ってた。

それから私はどうしてもどうしても彼女と仲良くなりたくて巧妙に、それはもう巧妙に近づいていった、Twitterの友人用のアカウントを交換し、プライベート用のアカウントを交換しLINEを交換し。夜中もよく電話をし。彼女は私がTwitterで落ち込んでいればリプライをくれ、LINEをくれ心配をしてくれ、でも決して必要以上には近づけさせない。近づけば近づくほど好きになる。一目惚れなんて上っ面の気持ちじゃはい。私は沼に落ちていった。

顔が好きなだけのはずだったのに今は存在が好きだった。毎日彼女のツイートをみて、いいねを見て、写真を保存し、でも嫌われないように細心の注意をはらって。私は彼女が好きだった。好きという言葉では生ぬるい。強い強い執着だった。生活の全てに彼女がいた。ただの友人なのに、私の生活の全てに彼女がいた。執着だとわかっていたからこそこの強い気持ちは隠してただのセフレだった。

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しかし私には恋人がいた。事情があり恋人がいながら彼女とも体の関係があった。恋人も彼女も好きでどうすればわからなくなり今までより病んでいった。
ある日耐えられなくなりいつもの電話で、彼女に対して恋慕があること、どうすればいいかわからないことを伝えた。

彼女は優しかった。本当に優しかった。だからLINEをブロックされTwitterをブロックされた。連絡先は全て切られた。彼女は私にたいして恋愛感情が全くないしそういう関係を望んでない、そして私の幸せを望んでくれている。だから私と今の恋人との幸せな関係が続くようにいなくなった。
こうなることはわかっていた。

今私はあのときの恋人と幸せに暮らしている。でもたまにどうしても彼女のことを思い出して辛くなる。

本当に好きだった。ありがとう。
人生が辛かったあの時期にそばに居てくれてありがとう。感謝しかないです。
執着してごめんなさい、気持ち悪くてごめんなさい。
あなたの人生に幸があることを心から祈ってます。

うさぎ大福