喫茶店巡りが学生時代からの夢である。
◎ ◎
喫茶店ブームに私も感化され、書籍やSNSを見ては「いいなあ」と溜息をつく日々。学生時代、喫茶店自体は行っていたし、友人と1日で2、3店舗巡ったこともある。しかし注文内容に対してはどこか我慢していた部分があった。
原因はお財布とお腹の問題。お金に関しては「旅行に来た」ということにして、あらかじめその日に使うべき予算を決めてしまえばなんとかなる気はする。
より深刻なのが摂取の問題で、カロリーを気にするお年頃なのと、それに伴って胃が小さくなっているという悪循環が起きているのだ。外食の1人前を食べ切れる自信がないし、食べ切れたとしてもその1食で終了してしまう。くちたお腹をドリンクでなだめる……なんて芸当は無理。ドリンクも胃に隙間がないと入らないのだ。
SNSを見ると1日に何件もはしごしている人がいて、ご飯もしっかり食べているのに太ってなかったりして何がどうなってるんだろうと思う。人間って意外と食べても太らないんだろうか。適量がわからなくなっちゃった。
このままだとずぶずぶと闇に落ちていきそうなので、理想の話に戻そう。理想なのだから、お金もカロリーも量も心配しなくていいのだ。こんなにハッピーなことはない。喫茶店巡り、食べまくりの旅へレッツゴー!
◎ ◎
喫茶店めぐりの旅はモーニングから始まる。普段は朝から出かけるにしても家で食事を摂るので、いわゆるモーニングを食べたことがない。旅行中は朝マックするけど……ハッ、そのときにモーニングすればよかったのか。でも朝マックも食べたいんだよなあ(堂々巡り)。
モーニングの内容はお店によって千差万別だろうけど、トースト・バナナ・サラダ・ゆで卵あたりがあると嬉しい。バナナはもちろん皮付きで。一口サイズにカットしているよりもほっこりとした雰囲気があるし、食べるときの自由度も増していいなと思う。
お昼はチーズたっぷりのトースト系を。シンプルにチーズトースト、あるいはピザトーストをミックスジュースと一緒にいただきたい。トーストは分厚くあってほしい。サクフワのパンがチーズでしなる姿は眼福ものである。熱いうちにチーズをびよーんと伸ばしながらはふはふ食べたい。
3時のおやつはパフェ。みずみずしいフルーツパフェか、濃厚なチョコレートパフェか。たまにプリンがのったパフェなんかもあって、いつか食べてみたいんだよな。
その時の気分で決定したいが、十中八九チョコレートパフェだろう。見栄えならフルーツのほうがカラフルでいいだろうけど、基本パフェにはバナナが入っていれば十分である。伝統的な様式美を愛でつつ、溶けないうちに素早くいただく。
身体が冷えたら追加でホットドリンクを。お店のかたには手間を取らせてしまうかもしれないが、ドリンクは熱々が好きなもので……。コーヒーは飲めないので紅茶を1杯。ストレートで口の中をさっぱりさせることにしよう。
そして晩ごはんはナポリタン&クリームソーダ。ザ・喫茶店な組み合わせである。現在クリームソーダ部を発足しており(部員1名)クリームソーダデータブックを作っているので(以上、本当の話)、その活動もしておきたい。
喫茶店のナポリタンは今まで食べたことがないのだが、きっと濃厚で美味しいんだろうな。喫茶店特集の雑誌で様々な喫茶店のナポリタンが見開きで集められているのを穴が空くほど見ていたが、シンプルな材料でありながらどれ一つとして同じものがなかった。そして大体がボリューム満点。老舗喫茶店のサービス精神は本当にすごいものがある。
純喫茶は定義上お酒を扱わないが、「喫茶店」なら問題ないだろう。ここで初めて現実の地名を出してしまうが、原宿に紅茶のカクテルが飲めるお店があると聞いて気になっている。普段お酒というとサワーばかりなので、こういうときはカクテルと洒落込みたい。そしてまったりとした気分になってきたら終了の合図。ゆっくりと帰路につくとしよう。
◎ ◎
これぞ理想の1日。今の自分にはできないが、人間として不可能なことではない。おそらく大食いの範疇ではないし、実際カフェ巡りを趣味とする人はもっと多くのお店を訪ねていることだってある。
喫茶店巡り用の胃袋とお財布を用意して、いつか理想を現実のものにしたい。