理想のオフのパターン①は、朝6時半に目覚ましで起きる土曜日だ。
部屋の窓を開けて換気扇を回し、寝具を洗濯機に放り込む。洗濯機を回し始めると、がぜんやる気が湧いてくるのは何故だろう。
タイムリミットがあると思うと、その間にいろいろこなしたくなってしまう。まずは風呂そうじ。給湯器を見て60度まで水温を上げ、熱湯のシャワーを風呂場全体にかける。洗剤を吹きかけてスポンジで洗い上げたら、排水溝を掃除する。最後に冷水のシャワーをかけて、カビが生えないようにする。
次に、ベッドのマットレスに防虫スプレーをかけ、新しい寝具をだしてから布団乾燥機をかける。クイックルワイパーでざっと床を拭きあげてから掃除機をかける。
しばし休憩…といったところで、洗濯機が鳴る。
掃除と洗濯は苦手なので、いつも爆音で動画を流したりして爆速で終わらせてしまう。いつかはドラム式洗濯機とルンバを買って、洗濯物干しと掃除機がけから解放された生活を送るのが夢だ。
日の高いうちに、近所のパン屋へ行く。ここのパン屋は人気店で、いつも地元民が列をなして待っている。たくさんの種類が所狭しとショウウィンドウに並んでいるが、私が一番お気に入りなのは黒胡麻のピザだ。生地に黒胡麻が練り込んであり、香ばしくてたまらない。
パン屋から少し歩くとコーヒースタンドがあるので、そこでカフェラテを買う。ここのカフェラテは店で豆の焙煎もしており、かなり美味しい。ピザとカフェラテを持って、公園に向かう。ベンチに座り、子どもたちがやんちゃに遊ぶのを眺めながら、ピザを食べる。しばしひと息、さわやかな休憩時間だ。
本屋へ向かうと、ファッション誌を片っ端から立ち読みする。世代や世帯年収、スタイルで変わる内容を比較するのも興味深い。知的好奇心を満たしてから家に帰る。
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理想のオフのパターン②は、実家で目覚ましに起こされない日曜日だ。
ダラダラ惰眠を貪って、だいたい9時くらいに布団から出てくるものの、そのあとソファでさらに眠気が襲ってきて、実質午前中はたっぷり寝てしまう。正味13時間ほどは寝ている。
胃にものを入れるのはお昼頃。台所にあるテキトーなものをあたためて食べる。今回は冷凍のチャーハンだ。テレビをつけ、なにやら旅番組を見つつ家族にぼやきながら、なんとなく身支度をする。実家近くのカフェに行き、ぼーっとしながらコーヒーを飲みながら、仕事の資料を開く。
休日に仕事の復習をするのは嫌だと考えないようにしている。私は仕事ができるタイプではないので、人よりも時間をかけることが必要なのだ。頭を翌日までに仕事仕様に切り替えられるよう、ちょっとした助走の時間を設けておく。
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YouTubeで観るような、素敵で丁寧な暮らしからはほど遠いことがよくわかっているので、私のなかでの最高の休日はこのようなざっくりとしたものだ。ライフステージが変わればまたいろいろな変化があるのだろう。変化に応じて、ゆるりゆるりと受け入れていきたい。