1年以上前に髪を染めてもらって以来、1度も美容室に行けていない。
◎ ◎
派手なカラーではないのでプリン状態はそこまで目立たないが、前髪は完全に黒髪に戻っている。一方で後ろ髪の一部分はなぜか染めた当初よりも色が明るくなっていて、黒・焦げ茶・茶の3色が混在している状態だ。
カラーリングするとなると価格が跳ね上がる(セルフカラーはダメージやムラが怖いのでやれない)し、そもそも美容室に行き慣れていない(1年間行っていないのはまだ短いほう)ので、こうしてズルズルと引き伸ばしてしまっている。でも、行きたい気持ちは十分すぎるほどあるのです。マジでマジで。
◎ ◎
特に染めたい気持ちが高まるのは、ストレスが大きくなったとき。今の自分でいるのが嫌になって、見た目を変えたくなる瞬間が時々訪れるのだ。
顔のつくりが幼くておとなしめ、そして性格も臆病なので、とりあえず手っ取り早く見た目を強くしたくなる。
髪という目立つ部分が変わることで印象も変わるし、鏡を見たときに自分で自分を鼓舞することができる。私は明るめの髪色の人を見ると少し身構えてしまうところがあるのだが、彼らが発しているパワーを私も獲得したいのだ。あとシンプルに明るいカラーって可愛いし。似合うかは知らんけど。
◎ ◎
ただし、前回染めたときほどその効果は期待していない自分もいる。そのときは思っていたよりもパワーを得られなかったのだ。
画面越しだと染めたことに気づかれない程度の茶髪だったのも関係しているかもしれない……と自分を慰めてみるものの、原因がそこではないのもわかっている。髪色はあくまでもパワーを出す補助的なものであって、結局は中身が変わらないと出るものも出ないのだろう。
さらにパワーを出している人たちはヘアセットも完璧だったりする。一方の私はブラシをとおすくらいであとは野放し状態。美容室に行った直後の『これからはアイロンやバームでヘアセットもしたいな』というキラキラとした気持ちはどこへ行ってしまったのだろう。いや、消えたわけではない。ただヘアアイロンを押すまでの気力がないのだ(それは霧散も同然では)。
◎ ◎
やはり私は「染めた」という事象に頼りすぎていたらしい。しかも「染めた」のは美容師さんなので、自分ではただ予約をしただけにすぎない。
椅子に座って鏡越しに美容師さんの手さばきを観察し、塗布してもらいながら近所のラーメン屋さん話で盛り上がっているだけで自分が変わるというのは虫が良すぎる。
結局は自分の心持ち次第。そのことに気づいてしまった私は、たとえ誰が見てもわかるくらいに染めたとしてもパワーを出せず、むしろケアの雑さが目立って逆効果なのではないかと怖気づいてしまっている。
ここで「次に染めたときは今回の反省を活かしてヘアセットやケアにも挑戦したい」と言えたら綺麗におさまるのだが、形状記憶の強さを知っている身としてはそんな無責任なことは言えないのだ。
◎ ◎
……そんなことを書いているうちに、今の地味プリンのままでもいいから手入れをもっとちゃんとしたほうがいいのではと思い始めた。
食欲が落ちて栄養も十分に行き渡っていないし、シャンプーとコンディショナーだってサッとやっておしまい。頭頂部はアホ毛がぱやぱやしているし、ついでに言うとブラシもピンが数本折れたまま使い続けている。はっきり言ってカラーリングするかどうか悩んでいる場合ではない。
どこから手を付けていいのかわからないが、まずは今の髪の毛を丈夫かつ綺麗にしていくのが先決。数ヶ月前から飲んでいるプロテインを継続しつつ、食べやすい健康的メニューを模索する。シャンプー等のやりかたを見直し、ブラシは買い替えよう。タングルティーザーが気になっているのだけど、どうですかね……。
もしかすると、無事つややかな髪になっただけもパワーが出るんじゃないだろうか。自分で努力して得られたものに、自信は自動的につくはずだから。