元転勤族の私は何ヶ所か地方に住んでいたことがある。
それぞれの地域の良さはもちろんある。
もう一度住めたらいいなと思うこともある。
でもそれは一瞬だけ。すぐに東京が寂しくなる自分が目に見えている。

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昨今は、移住ブームが続いてテレビなどで見ても移住はいいなと思うけど、それでも私は東京に住みたい。
首都直下型地震など不安はあるけれども、親も友人がいるのは東京だからかもしれない。

ここまでかくと私は東京が大好きな人に見えるがずっとそうだったわけではない。
私は東京にいることに少しだけ疲れてしまったことがある。
そんな時に、ご紹介で地方で働く機会をいただいた。
地方に住んだ経験のある私は大丈夫だろうという根拠のない自信で、2つ返事で地方に住むことを決定した。

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最初はよかった。
みんな暖かく迎えてくれたことに、紹介された転校生のように注目され気分が上がっていた小学校の自分を思い出した。
そんな気分が上がったのはその時だけ。よそ者には厳しいのが地方あるある。

全員が悪い人ではなかったが、何を言ってもその地域の人ではないと地域のことを思ってもうまくいくことは難しい。(年齢が若いからと言われたこともあった)
孤独を感じた。私を味方にしてくれる人はここにはいない、東京だったら家族も友人もいるのに!と、苦しい思いをした。

地方は地方で良さがある。
地方出身の話を聞くと地元が一番なのは伝わる。
私も第二の故郷と呼んでいるところもあるが、そこにいくと当時を思い出して東京以外でも帰る場所があることは私にとって嬉しいことなのに、東京に帰ってきた時にほっとする。

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確かに人口が多いと人が多すぎて疲れてしまうのは事実だ。
でも東京にいると、自分がここにいてもいいだと思いやすい。

そこを紐解いていくと、地方だと昔ながらのつながりが大切でよそ者がくると嫌悪感を抱きやすい(全ての人・全ての地方だと思っていない)
東京だといい意味でも悪い意味でもドライなところが私に合っていると思う。

人と会って楽しいことを共有して思い出を増やしていきたい一方で、ひとりになって考えていたい時だってある。
そんな時に誰も会って話したくない。だけど孤独を感じたくない。
東京こそ孤独を感じやすいのかもしれない。だけど、人の多さが孤独感を感じにくいのかもしれない。東京で一人暮らしを始めてから気づいたが、地方で一人暮らしをしていた時の方が孤独感を感じた。

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これは私だけの体感かもしれないが、東京で過ごすとより自分らしくいられるし、自分がどうしていきたいか考える場所なんだと思う。

そしてそれ以上に、家族や友人とすぐに会える環境は大きいこと。
(たまたま実家が東京にあるからだと思うが)

自分らしさだけではなく、旅行のしやすさは東京にいると大きい。
飛行機・新幹線・電車・車と交通機関での移動しやすさは旅行好きな私にとっては大変ありがたい。
またライブだったりイベントなども頻繁に行われ最終日は東京の場合も多い。

そんな趣味の理由もあるが、東京の人の多さはいい意味で、出会いは多くいろんな人と出会える機会がある。
冷たいと言われるのはドライの部分が寂しいからだと思う。
東京はドライだけど冷たくはない。

孤独でも大丈夫なんだと思うだけでも私は辛い時でも悲しい時でも生きていける。
自分でいられる場所が東京に合っている。