私の恋は、いつも私の気持ち一つで終わりを迎える。

私が恋人に対してある感情を抱くようになり、それに耐えられなくなって自分から別れを告げてしまうのだ。その感情がどういったものか分かっているのに、いつも同じパターンの終わらせ方をしてしまうのが情けない限りである。

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私と付き合ってくれる人は、優しい人ばかりだ。それも、ずば抜けた優しさを持つ人。私のことを第一に考え、私の気持ちを優先してくれるような人。お姫様気分でいたいのかと問われればそういうわけではなく、単に、穏やかで温かい心を持っている人に惹かれやすいだけである。

そんなわけで、毎回優しい人とお付き合いさせていただくわけだが、私はと言えば、自由気ままを良しとする、お一人様大好き人間である。優しい彼らからの連絡への返信は遅れ、休日は彼らの誘いを断り一人で出かける。そして、そんな私に彼らが愛想を尽かす…というわけではない。優しい彼らは、そんなことで私を責めたりしない。

「いいよ、気にしないで」「大丈夫だよ」と、優しい言葉を私に投げかけてくれる。ではなぜ、私は彼らと別れる道をたどることになるのか。理由は一つ、私が、彼らの優しさに耐えられなくなってしまうからである。

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なんと贅沢な理由だろうと自分でも思う。愛する人に優しくしてもらえるなど、この上ない幸せのはずなのだ。その幸せに感謝し、優しさは有り難く受け取ればいい。が、それが出来ない。それどころか、その優しさに対して申し訳なささえ感じてしまう。こんなに優しくしてもらってるのに、私は、その優しさを彼に返すことが出来ない。

こんなにも素敵な人なら、もっとふさわしい人がいるのではないか。この人に、同じくらいの優しさで応えられる人がいるのではないか。そんな考えと、こんなにも素敵な人の彼女が私なんかであるということへの罪悪感に押しつぶされてしまう。そして、そういった感情に耐えきれなくなった私は、彼らに、別れを告げることになる。

こんな自分勝手な理由で別れを告げているにも関わらず、彼らは別れ際、「気づけなくてごめんね」「苦しませちゃってごめんね」と、私を責めるどころか、謝罪の言葉まで向けてくれるような人たちなのである。

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どうして、こんなにも素敵な人たちに対して、いつも私は別れという選択しか出来ないのか。恐らく、自信の無さがこんな結末を招いているのだろう。私は、こんなにも優しい扱いを受けるに値する人間ではない、と。私のような人間が、こんな素敵な人と一緒にいる資格はない、と。

ああ、私の様な、変な価値観に飲み込まれた変な正義感のような、相手にとっては迷惑千万であるこの考えを持つ私が、彼らの様な優しい人とずっと一緒にいる方法。それは恐らく、自分に自信を持てるようになることでしかない。

飽き性も三日坊主も克服して、どうか、自分に自信を持てるようにするしかない。そしていつか、新しく出会う優しい人の隣に、罪悪感を持つことなくいられるようになりますように。