私が最近気づいた、居心地のよい場所は、仕事終わりのカフェ。そこでエッセイを書いたり、創作物語を書いたりしている時間が、心地よい。

専らインドア派の私は、外に出てアクティブに活動することはあまりしない。その代わりに、家でこうやって文字を書くことが増えてきていると感じている。

だいたい一人でいることが好きだから、一人暮らしの家は好きだし、お気に入りの場所だってある。いつかのエッセイでも、家のローテーブルから四季をみて思いにふけったり、文章を書いたりすることが好きだと記したことがあると思う。 

ただ、今回はあえてカフェをあげた。それにはいくつか理由がある。

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仕事で何か嫌なことがあったとき。もしくは仕事モードがなかなか切れないとき、そのまま家に帰ってしまうと、その思いや態度が家中に広がっていくのがわかるようになった。

いつからだったかは忘れてしまったが、これはよくないという感覚だけははっきりとしていた。

だからと言って、帰ってくる場所はこの家のみ。
そのままふらりとどこかに旅行にいけたら最高だが、現実はそんなにやさしくできていない。そこで考えたのが、スイッチをオフにする方法だった。

仕事モードが抜けていないから、家が安全で安心できる場所ではなくなっているのであれば、家に帰る前にどこかでスイッチをオフにできればよい。そう考えた。考えて、考えて、やっぱり私のオフの方法は、文章を書くことだということにたどり着いた。
そこからの私の行動は早かった。どこかパソコンを使えるカフェが職場と家の間にないか探した。いくつかヒットしたなかで、一番コーヒーが美味しそうなお店を選び試しに足を運んでみた。

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月曜日の仕事終わり、仕事用の鞄と一緒に自分のパソコンを持っていくのは少々大変だったが、美味しいコーヒーと自分が無事にオフになれるかの実験が楽しみで足取りは軽かった。そしてたどり着いたお店は、ちらほらと人はいながら、割と静かで落ち着いている場所だった。窓際はコンセントの差込口も設置されており、ゆったりとした雰囲気が一気に気に入った。

コーヒーを注文する際に、パソコン作業をしてもよいかと店員さんに聞くと、「混雑していなければいいですよ」と返してくれた。私は嬉々として窓際の席に座り、温かいコーヒーと共にパソコンを開いた。
それから、文字を打ち込む。頭の中で今日の出来事を整理しながら日記のようなものをつける。簡単な文章ができたら、一口コーヒーを飲む。ああ、なんということだろうか。気分が随分と落ち着いている。

それから私は、一時間ばかりそこに座り、文章を書き連ねた。途中、カフェラテをおかわりしながら。

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その日、私の気分はとてもよくなった。パタンとパソコンを閉じたときにはもう、すっかりオフになっている自分がいた。そうか、こうやってスイッチを切ればよいのか。私はまた一つ人間としての生き方を学んだような気がした。

それからというもの、仕事に気持ちが持っていかれそうなときには、同じカフェによることにしている。そこで文章を書くことによって私はパチンとスイッチを変えることができるからだ。
私にとっての居心地のいい場所、それは最近知った仕事帰りのとあるカフェだった。