先日付き合っていない男性の家に遊びに行った。 夜も更けていたので、そのままお泊まりした。

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きっかけは金曜日の夜、仕事終わりに飲みに行った。彼の家の近くで飲んでいたのと、2軒目の居酒屋がいいお店が見つからなかったからだ。

彼の家までぶらぶら歩きながら、道中のコンビニに寄ってお酒を調達した。

私にとって異性の家に二人きりで行くのが初めてだったので、何かで読んだことのある異性の家に行くまでの筋書き通りに私たちが行動していることに気づき、一人でおかしく感じていた。

彼の家に着き、彼は片付けるから3分ちょうだいと言って、玄関に身体を滑り込ませた。 ロボット掃除機が稼働してる音が壁越しに聞こえて来た。彼がバタバタと部屋中を駆け回ってる様子が想像できた。

3分と言っていたが、実際は7分ほど経って扉が開いた。

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お邪魔します、と言って入った部屋は、清潔感のある家で、インテリアにもこだわっていた。観葉植物も所々にディスプレイされていた。

コンビニで買ったお酒を開け、おつまみを食べ、映画を見た。

2人でソファーに並んで観てる時は、まるで恋人になったような気分だった。

お風呂も借りて、布団を敷いてもらって寝た。

何事もなく朝を迎え、朝ごはんまで作ってくれた。

そして車で家まで送ってくれたのだ。

セダンタイプの助手席の乗り心地はとんでもなく良かったのに、居心地が悪くて仕方がなかった。

車の中で彼が余所余所しかったのは、ノーメイクの顔、ノーセットの髪を見せてしまったからだろうか。

それとも私が彼女候補ではないと気づいたことが態度に出ていたからだろうか。

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朝ごはんを食べながら、土曜日の朝の情報番組を見ながらふと私は、彼が絵文字がいっぱい入ったメッセージを返しているところを見てしまった。

私との LINEは業務連絡がメインで絵文字は あっても3回に1回程度だ。

男子同士のやり取りで絵文字を使うことはないと思うので、相手が女子であるのは明白だった。 1つのメッセージに2つぐらい文字が入ってた。そういえば最近アイコンと名前が変わっていたなあと私の頭は勝手に伏線の回収していた。

あと、やたらとマッチングアプリの男性の料金設定について文句言っていたこのことから 、マッチングアプリで出会った人とうまくいってるのだろうなと思った。

それでもまだ家に上げるほど、関係は進んでいないと思われるので、私を家に開けることを了承したのだと思われる。

実際彼の家には女の影はなく、メイク落としがないと謝ってきた。

表面上、付き合っていたわけではないので、彼氏候補がいなくなっただけであるが、かなりダメージを受けた私の様子から入れ込んでいたんだろうなということがわかった。

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皮肉なことだが、お泊まりしたことで、彼のベクトルが私に向いていないことに気づくことができた。

知らずに想いを寄せ続けなくてよかった。

彼氏候補が一人減った今、私は引き続き未来の夫を待ち続けているのだ。

ふとした瞬間に髪の毛から彼の家のシャンプーの香りがした。

脱いだワンピースからは、前夜に焚いたお香の匂いがして、彼の家の滞在時間の長さを物語っていた。

夜更かしを楽しんだことが思い出され、心がちくりと痛んだ。