双極性障害、そう診断されたのは2年前だった。

二つ以上のことを同時にやろうとすると頭がこんがらがるし、エネルギーが有り余って家事をたくさん出来てさらにもっと頑張れる日もあれば、ほとんど出来なくて横になって眠っている日もある。メンタルクリニックでお薬をもらって波がだいぶ減ってきたが、それでもいまだに家事は通常『最低限』が私の仕事である。

なぜなら、療養中の身だからだ。怠けているように聞こえるかもしれないが、それで家庭がうまくまわるように、自分が自分を痛めつけないように。という約束事なのだ。出来る範囲で。出来ないことはやらない。無理はしない。

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もともと、典型的なＢ型タイプで、掃除はサボり気味。食事作りは実家を出たらやる人が自分しかいなかったので仕方なく作っている。洗濯はやるが、夫がやった方が良い匂いになる。不本当に思議な話である。しかし、双極性障害と診断されて、仕事をお休みさせてもらっている間、毎日、掃除、洗濯、食事作りが私の仕事となったのだ。

ただ休むだけというのは心に来るのだ。何もしないで家に居座るというのは、辛くて耐えられなくて生きていることが申し訳なくなるため、必要最低限の家事をやることにしたのだ。最初はそれすらも負担に思っていたが、今はきちんと時間を決めて取り組めるようになった。そのおかげで春夏は趣味の家庭菜園もたくさんやることができた。スイカを種からプランターで育てて、長男の幼稚園に３つもあげることが出来たのはちょっぴり自慢である。

来年は次男も幼稚園に一緒に通うので、もっと育てて全園児に行き渡るくらいあげたい。今年はスイカ農家ですか？と聞かれたが、来年はもっとそう思われると思う。

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もう一つ忘れてはいけない家事があり、それは小児喘息で保育園を休んでいた次男が欲しいと言った、亀のお世話係も去年から私の仕事となったことだ。爬虫類や両生類が苦手なので、最初次男と2人でペットショップに買いに行った時、世話ができるかドキドキした。

が、とても愛着が湧き今では語りかけながら亀の甲羅をブラシで洗っている。1年で2倍くらいに大きくなったが亀は可愛い。たまにお風呂場から脱走して鬼ごっこするのだが、それも楽しい。

ちなみに金魚も飼っているのだが、金魚のお世話は夫の仕事である。1週間に一回、水槽の水を変えている姿をぼんやり眺めているのが癒される。

ここまでは家事ができる日の話を書いたが、病気のため、出来ない日もある。そんな日は最低限洗濯だけやり、掃除は次の日に回し、亀の世話は夫に任せ、夕飯はなんとホットプレートで作ってそれっぽくしているのだ。夫の協力と理解があるおかげでとても助かっている。本当にありがたいものだ。 

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私の場合、家事と言っていいのかわからないような内容ではあるが、それが私の毎日のルーティンであり、私が思っているここに生きていていい理由であり、頑張るための糧でもある。もちろん、家族やメンタルクリニックの先生はそんなふうに思ってないからこそ、できることを無理なくやりたいようにやってくれ。とのことなのだが。

病気がひどかった時はその言葉の意味もよくわからず、そんなこと言われてもやらないと家が大変なことになるし、わたしもここにいる意味がなくなってしまう！と思っていたが、落ち着いてきた今なら理解できる。掃除は一日しなくても死んだり病気になったりしない。

夕飯作りも力一杯頑張らずとも子供達は育つ。そう割り切ったのだ。そう思ったらとても楽になった。今でもたまに、イラストレーターになったばかりで在宅ワークをしている夫のところへ行って確認をする。夫は何でもないことのように『大丈夫だよ』と言ってくれる。これでとても救われるのだ。家事は1人でやっているわけじゃないし、支えてくれている人もいる。私と家事との距離は付かず離れずだ。