「えー、なんかイメージと違った」
「彩里ってそんなタイプだったっけ?」

みなさんも似たようなことを言ったり、言われたりしたことはないだろうか??
私自身、そんな頻繁にこの言葉を投げかけられたことはないが、一定数にはく言われる。なぜなら、その一定数とは私が素をさらけ出している親友と呼べる子達が含まれるから。

もちろん初対面の人に対して、第一印象や大まかなイメージを抱いたりすることは仕方がないことなのだが、このイメージに自分自身が縛られてしまうと身動きが取れなくなってしまう。

それがまさに今の私。
いや、少し前の私だろうか。

自分で言うのも申し訳ないのだが、大体私の周りからの印象は、しっかり者の姉御肌。

基本的に何でもパパっとこなせるし、仕事もい。しっかり自立もしていて、弱音を吐いたり、そんな姿見せたりしない。こんなイメージを抱かれているが故に、そのイメージとは違う言動をした際に、冒頭の言葉が湧いてくる。

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まあ、このイメージを実際作り上げたのは間違いなく私自身である。

幼少期から祖父母と暮らし、厳しく甘えなどなかった大人に囲まれて育った少女は、見事に周りにそぐうような態度をとる大人に成長した。

社会に出て、恥ずかしくないようにと花嫁修業ならぬ、立派な大人女性になるように修行をさせられた当の本人は、人の求める自分になることを苦とは思わなくなった。

だからこそ、職場では上司に言われる前に、書類は作って手元に置いてあるし、なるべく人に頼らず、自分でいろいろとこなしてきた。職場だけではなく、学生時代だってそう。
かくして、私はなんでもすぐにやりこなせる女に仕上がったわけだ。

これはプライベートにおいても同じで、自分の素をすぐにはさらけ出せないし、人から思われるイメージ通りの自分を演じてしまう。

人に弱音や涙は見せない、自立している、いい女でいるために。

いい女って何??

それになったところで何が得られるのだろうか。逆に、私は間違ったいい女像を描いてしまったことで、謎のプライドや家族や周りからの視線を気にしすぎたことで、恋愛事で深傷を負った。

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周りから抱かれるイメージは、自分が作り上げたイメージ通りなのだ。

服装や話し方、特に女性は化粧や髪型を変えるだけで印象がガラッと変わる。優しい印象を与えたければ、化粧は薄く、服飾の色遣いも淡い色を用いれば、自分が与えたい印象に近いものを相手にも感じてもらえるようになるだろう。

基本、この世の中に「ブス」と呼んでいい人なんて存在しない。

だが、極端な話、自分のことをブスだと思えば、化粧もうまくはならないし、下を向いて歩くから姿勢も悪くなるし、笑顔も減っていく。ってことで見た目「ブス」の出来上がり。次の段階は、心の中でもネガティブになって、僻み妬みが増えて、性格「ブス」も出来上がり。

これは自分自身の中でのイメージでしかないが、こうなってしまうと周りから見ても、人生を楽しんでいるようには見えなくなってしまう。

なんなら、私も最近までこんな感じだった。だが、今は家を出るとき、鏡に写った自分を見て、「はい、今日もかわいい。今日も幸せな一日の始まり!!」とか思っている。

私のエッセイに度々登場する、元カレくんだが、私の自己肯定感が深海レベルで低かったとき、「いつか彩里が自分のことをかわいいって言えるように、してやる!」と言ってくれていたことをふと思い出したのだが、確かに彼は私が嫌になるぐらい、日々言葉にして伝えてくれていた。そのおかげで私は初めて自分のことを好きになれたのだ。何事も前向きに考えられると、人生は楽しく過ごせる。

直接彼には伝えられなかったが、心の底から感謝している。

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自分がAだと思えば、Aになれるし、Bだと思えば、Bになれる。そしてそのままの自分が、周りへのイメージとして届くのだ。

結局、つい最近まで自分が苦しめられていた私のイメージは、自分が描きあげたのだ。だからこそ、悩む必要もない。変えようと思えば、いつでも自分は変えられる。

必要なのは、今までの自分やイメージと決別すること。それだけでもう呪縛からは解き放たれる。

だからこそ、私は2024年、自分のあるがままの姿で、いろんなことに挑戦していきたい。そしてその自分を私が一番愛することができるように。

いつ終わりがくるか分からない人生を目一杯楽しむために。 

よし、今日も私はかわいい、行ってきます!!