長期の北海道出張にいった際、私は休みの日も早起きして車で遠くまで出かける。
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網走の先、世界遺産知床の喫茶店からみえる窓の外のツララ。知床のサウナからみえるオホーツク海の流氷。十勝の鹿追町で、朝、搾りたての牛乳をのみながら眺める窓の外の銀世界。
旭川付近の幌加内町という小さな町に積もる繊細なパウダースノー。日本最北端、稚内市のドライブロードでみるホワイトアウト。
雄武町の海岸から見渡せる真夏のオホーツク海。秋に、札幌より一足先にライトアップする小樽運河の夜。積丹ブルーといわれる積丹半島のコバルトブルーのような海の色。晴れた日にフェリーに乗って向かった、雲一つない利尻半島の秋の利尻富士。
緑の草木がどこまでも続く東川町の初夏。色とりどりのお花でいっぱいになる秋の美瑛町。秋でもうっすら雪が積もる青い池。時がとまったかのように昭和の映画祭のポスターが残る夕張市の建物。
大粒の帆立と鮮やかなイクラが回っている札幌の回転寿司。中富良野町で食べた、見ているだけでラベンダーの香りを想像させる優しい紫色のラベンダーソフト。寒い冬も温かさと懐かしさで乗り越えようと彩りどりの優しい色を放つ小樽のステンドグラス。札幌のカフェで見た白いシマエナガという鳥のデザインが施された美味しいクレープ。
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私は、北海道に来て、ありとあらゆるものを目にするたびに写真に収めている。自分の目でみた感動を写真にすることで、忘れられない記憶にしている。
スマホが無かった時代は、写真に残すなんてほとんど人物を撮るときだけだった。運動会や、友人の誕生日会など。思い出深いイベントの写真は部屋に飾るとしても、写真を一度撮ってから、再び見返すことなどはほとんどしなかった。いままでは、それが私にとっての「写真」だった。
ところが、スマホというものが誕生してから、カメラは一気に身近なものになった。どこにいても肌身離さず持ち歩いているようなものだ。それから、私は行った先々で食べ物や景色などをメインに写真を撮るようになった。美味しかったお店は離れている家族や友人にも共有できる。行って感動した場所はSNSで色々な人に共有できる。それ以来、あらゆる日常の感動シーンを小刻みに写真に収めている。
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そんな習慣もあり、行く場所も食べる場所も、どこか「秘境発掘」のような傾向になってきた。有名どころもだが、まだあまり多くの人に知られていないような場所に訪れ、その良さを周りに表現できればと思ったりもする。たとえば地方の美しい隠れスポットも、写真やSNSによって、今より多くの人に注目されるようになったら嬉しいと思っている。ポテンシャルのある町やグルメは、日本全国まだまだ沢山あると思っているからだ。
今年は、たまたま北海道の長期出張だったため、北海道で車で自分なりに秘境をみつけにいった。写真も千枚以上撮った。来年は、本州でも色々な街に出張や旅行に行き、また色々な写真や思い出をつくりたいと思う。