「あなたはありのままの自分にも自信を持てていますか?」
最近流行っているK-popや普及してきたSNSの中のインフルエンサーや芸能人には細い、白い肌など様々な美的共通点があります。そのため外的要因に過度に執着してしまい、無理なダイエットや自己肯定感が低くなってしまうなどの問題を抱えている人が多くいます。私も過去にこれらの問題で悩んだ経験があります。
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私は小学4年生まで日本で過ごしました。その頃はまだ幼かったのでファッションなどは気にはなっていたものの、顔や外見を気にしたことはありませんでした。小学4年生の頃、母の仕事の都合で私はブラジルに転居することになりました。そして現地でインターナショナルスクールに通い始めてから私の外見に対する考え方が大きく変化しました。
例えば、ブラジルでは人の体型を気にする人が日本と比べて極端に少ないことに気付き、私はとても驚きました。現地の友達からも「なぜそんなに自分自身に自信がないの?」と質問され、「あれ?私は自分に自信がなかったんだ。もっと自分に自信を持っていいんだ」と気づきました。そこで初めて、私はブラジルに行ったことでリベラルな価値観の基盤ができ、自分がありのままの自分であっていいんだ、と思うことができました。
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日本に帰国後、私は公立の中学校に通い始め、インターナショナルスクールとは違った独特の空気感を感じました。それは「外見」をとても重視する雰囲気です。私は日々友達と会話する中で何度も違和感を感じることがありました。例えば「あの子可愛いよね」、「あの子細いよね」、「あの子肌白いよね」、「あの子の髪の毛汚くない?」などなど。このような会話を重ねていく度に私は自分自身の外見に不安を抱くようになり、毎日鏡に向き合う中で、自分の外見ばかりに目をむけるようになり、自分の顔に欠点を見出すようになりました。そして自分の理想の顔に近づけるため、私は本格的にメイクを始めました。
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最初は、自分のコンプレックスを隠すためにメイクをしていたのですが、徐々にすっぴんの状態を見せることが怖くなったり、自分の本来の顔の形にも物足りなさを感じるようになり、違う自分に見せるためにメイクをしていました。しかし帰国子女が多い現在の高校に入学後、私の顔をメイクした状態でもすっぴんの状態でもどちらも可愛い、葵衣という人間が可愛い!と言ってくれる人が周りにできました。その言葉で、私はブラジルで感じていた「ありのままの自分を受け入れてもらえること」をおもいだし、日本での中学時代、人の目ばかり気にして、本来の自分を認められず、隠すためのメイクをしていたことを馬鹿らしく感じるようになりました。
私はメイクで、雑誌の中の女の子のように、美しくいなければならないと、外見に対する固定概念に自分自身が囚われており、メイクすることを義務のように感じていましたが、今の友達のおかげで、ありのままの自分でも自信を持っていいことに気付けました。全員に好かれる必要はないのです。私は1000人に一人、いえ、唯一の存在なのですから自分に自信を持たなければもったいないです。
日本の美意識に過度に囚われてしまっている女性たちに私は問いたいです。
「あなたは何のためにメイクをしていますか?」
「あなたはありのままの自分にも自信を持てていますか?」