私の視界をひろげてくれたのは、大学で出会った1人の友人だ。
高校生までの自分は、正直自分に自信を持てなかった。人より何か優れているとか、人より外見がいいとか、そういうものが何もないと感じていた。いつも誰かと自分を比べては、何もない自分に絶望し落ち込む日々を繰り返していた。
「私にも何か特別な才能があれば……」「あの子みたいに可愛ければ……」「もっと頭が良かったら……」とにかく人より誇れる何かが欲しかった。自分に自信を持ちたかった。
ずっと自分のことばかりで、かといって努力もしないままただ無能な自分と葛藤していた。
ある時、才能とか能力を磨くのは簡単なことではないと悟り、だったら容姿を磨こうと決めた。大学に入って、今度こそは失敗や後悔のない人生を歩みたいと決心した。
大学にはたくさんの可愛い子たちがあふれていた。
どうしても自分を変えたくて、入学前からインスタで見つけた1人の可愛い子(以下Aとする)に頑張って話しかけた。Aは写真の通り本当に可愛くて話しやすく、驚いたことに一瞬で意気投合した。それからはほとんど毎日一緒に過ごすようになり、私もAみたいになりたいと強く思うようになっていた。
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可愛くなるために、必死に研究した。自分の理想とする姿を想像して、まずはダイエットを始めた。本気で可愛くなりたかったから、どんなことでも我慢できた。メイクも変えてみた。ティックトックで検索かけたり、私の好きなモデルさんやインフルエンサーたちのメイクを真似してみたり、とにかく色々試してみた。
それから半年も経たないうちのこと、友人と遊びに行った時のことをインスタで投稿したら、なんとたくさんのいいねと「可愛い」の声が飛び交った。高校時代までの頃の私を知る友人たちからも、「変わったね、可愛くなったね」などの嬉しい言葉をもらった。
これは私の心を大きく動かした瞬間だった。
私はより一層自分磨きに努めるようになった。Aから学ぶことも多かった。
ほとんどの大学生活の時間をAと過ごすことで、自分には何が足りないのか、どこを変えたらAに近づくことができるのか考えることができた。SNSで見るインフルエンサーたちのように、毎日がキラキラしていて自信に満ちあふれている姿は私にとって刺激的で、憧れでもあった。
Aはインスタの投稿もオシャレだった。Aや他のオシャレなインスタグラマーの投稿の雰囲気を参考に、私は月2.、3くらいのペースでインスタのストーリー・投稿を更新していった。私が更新するたびにいいねが増えていくのがわかった。これが自信に繋がった。
私にとって、「いいね」の数と「可愛い」という褒め言葉は自己肯定感を上げてくれる大切なものだ。
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Aに出会っていなかったら、自分を磨くことの楽しさも、可愛くなるために頑張ろうと思えることも知らなかったし、できなかっただろう。インフルエンサーになりたいとは思っていないけれど、新しい私を発信することで誰かを勇気づけることができたらいいなと思っている。
私のように、自分を変えたい、変わりたいって思っている人はいるはず。そういう人たちに対して言いたい。「自分を信じて。必ず変われるから」。
自分を変えてから、SNSというキラキラした世界に出会い、人生が楽しくなった。
こんな私でも、強くなれた。前に進めた。自分に誇りを持てるようになった。そう実感できることが何より嬉しかった。これからも私は私を愛し、キラキラ輝く人生を送っていきたい。