私が大学に入学し、1年ほどが経過した2023年、大学2年生の春。家の近所で犬の散歩をしていたときに1人の男性に声をかけられた。
両親と飼い犬とで散歩をしていて、私の両親がスーパーに買い物に行くので、犬と一緒にスーパーの外のベンチで待っていた時、遠くから自転車に乗った男性がすごいスピードでこちらに向かってきて、私のすぐ横で止まり、話しかけてきた。その時の私の格好は、高校の体操着にラフなパーカーを着て、帽子を深くかぶっているという大変雑な感じだったので、ナンパではないだろうと思い、何か困ったことでもあるのかと思いながらその男性の話を聞こうと思った。
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結論から言うと、男性は自己紹介をして私の連絡先を聞くという、いわゆる「ナンパ」だった。普段だったら私はナンパには応じない。適当に愛想笑いをして受け流して終わりだ。しかし運が良かったのか悪かったのか、ちょうど春休みにベトナムに旅行に行っていたためか海外のオープンマインドに自分の心が染まっていた時期であり、あまり深く考えずにすぐLINEを交換した。ナンパされてLINEを交換するのは初めての経験であったし、なぜすぐに連絡先交換に応じたのかもよくわからない。ただ、直感的に「あ、交換しよう」と思った自分がいたことは事実である。
この出会いが、私の視野を大幅に広げる1つのターニングポイントであった。その方とは後日お会いして飲み友達になった。3〜4人くらいの飲み会みたいなものに呼ばれる事が多く、私はお酒はあまり飲まないので、ソフトドリンクを飲みながら好きなだけ喋って遅くならないうちに離脱するという形で参加している。
文章にするとすごく怪しい会のように見えるが私はこの席でお酒は飲んだ事がないし、ただ楽しく喋りまくって別れるだけだ。
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私はこの飲み会に参加した帰り道に音楽を聴きながら、30分程1人で散歩する時間がすごく好きで、その時間は自分がこの世界の主人公かのように心がワクワクして、楽しいエネルギーに全身が包まれた感覚になる。
私は普段お酒を飲まないので飲み会には呼ばれることが無いのだがお酒を飲まなくてもいいから!と陽気に私を誘ってくれるのが嬉しくて、楽しくて呼ばれたら必ずと言っていいほど参加している。
ある時入った居酒屋の隣のテーブルに座っていた方とみんなで意気投合し一緒に飲もうとなった事があった。隣の方はなんとその居酒屋のオーナーの方で、自分の会社を5つ持っていて、さらに別会社の顧問も10社ほど務めている方だった。
私の人生において、父親以外に父親ほど年齢が離れた大人と話をする機会がなかったし、そんな大変な実績のある方と喋る機会も無かったため、とても新鮮で楽しい出会いだった。
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私はよくしゃべる性格なのでその方ともすごく仲良くなって、その方が経営されている会社の忘年会に呼んでいただいたり、その方の知り合いの社長さんを紹介していただく等、新たな出会いを沢山頂くことができた。
私は、そういったいわゆる成功をされている方々と触れ合う機会がこの1年ほどでとても増えて気づいたことが1つある。それは成功している方々は、必ずと言っていいほど楽しそうに生きているということである。頭で考えたら分かるが、身をもって感じることができたこの体験は、私にとってとても大きい出来事であると思う。
普段だったら絶対に応じないナンパにたまたま応じて、そこで友達ができて、その出会いがさらに出会いを呼んで、私の視野をどんどん広げることにつながったと言える。
これから先も私はこの出会いを大切にしたいと考えている。私にとって人と関わっている事が自分の活力の源であるということに気付くきっかけの出来事であった。
この世界は、自分の知らないことがまだまだあって、ワクワクする出会いが身近なところにでさえたくさんあって、気付くことさえできればいくらでも広がり続ける世界なのだと思う。
私は、私の視野がまだまだ広がり続けることを確信している。