私が一番好きな家事はズバリ、料理である。
好きな理由を明確に述べろと言われると難しいのだが、私自身食べることが好きだということや、母が料理好きで、さまざまな種類の料理を作ってもらったことおそらく起因している。
結婚して夫と二人暮らしの今は、夫が喜ぶものや、お腹の子どもの栄養になりそうな献立を考えて作っている。

思えば、結婚した当初の料理は酷かった。
味付けもイマイチだったが、主菜副菜汁物のバランスなんて考えず、とにかく夫が好きそうなものや自分が美味しいと思うものを作っていた。
肉と魚を一緒に食卓に並べたこともあった。
唐揚げと鰤の塩焼き、はんぺんにハムとチーズを挟んで焼いたもの、味噌汁。
野菜物はまったくなく、栄養バランスも色合いもめちゃくちゃ。

一汁三菜も何もあったもんじゃない。
優しい夫もさすがに、「肉と魚はどちらか一品ずつ。野菜も食べたい」と苦言を呈した。 

◎          ◎ 

そこからさまざま勉強し、今では味付けや食材にもこだわるようになった。
主菜が味の濃いものなら、副菜は酸っぱいものやあっさりしたものにする。
副菜のうちの片方は、豆腐や卵、根菜類を使うなどして、お腹が満たされやすいボリュームのある食材にする。
主菜副菜に使う食材は各々被らないように気をつけ、赤黄緑色などさまざまな色合いの野菜を使い見栄えを良くし、葉野菜や根菜類、旬の野菜を使って栄養バランスにも気を配る。
自分の中でさまざま細かいルールができた。

並んでいる料理が色彩豊かで食材の種類も豊富の方が、断然食欲が湧くものだ。

料理は頭を使うことだらけである。
作っている際の時間の使い方も重要。
きんぴらごぼうの時は、ごぼうを酢水晒している間ににんじんを千切りにする。
牛すじ煮込みの時は、牛すじを沸騰したお湯で煮て灰汁を取る作業を三回繰り返しながら、片方の鍋で大根の下茹でをし、その間に副菜に使うジャガイモの皮を剥く……。
挙げるとキリがないが、とにかく同時に二つないし三つの作業をしながらでないと晩御飯の時間までに完成させることはできない。
料理をしている時はいつも必死で、頭を空っぽにして目の前のことに集中できる。
その感覚がまた心地よい。
今も夫の喜ぶ顔が見たくて料理を頑張っているが、お腹の子が産まれて、同じ食事ができるようになったら、今度は夫と子どものために料理を作る日々になる。
それが今一番の楽しみだ。

◎          ◎ 

一方、嫌いになった家事もある。
それはズバリ洗濯である。
夫と二人分の洗濯物の分量はたかがしれているが、それでも面倒臭い。
洗濯物を洗濯機に放り込んで、洗剤と柔軟剤を入れればあとは洗濯機が自動で洗って、脱水までしてくれる。
便利な時代になったものだと思う一方、洗濯機に洗濯物を入れることすら面倒くさい。
また、手洗いしなければならないものがあるときはなおのこと面倒である。
夫のスーツのズボン、ジャケット……などは手洗い必須。

アライグマになった気持ちで揉み洗いしてから、すすぎまで完了した洗濯物と一緒に脱水。
さて、脱水が終わると、当然だが洗濯物を干さなければならない。
干す場所にだけはこだわりがあり、雨の日以外は必ず外干しすると決めている。
お日様の光や外の風で乾かした方が、なんとなく自分の心が豊かになるのである。
脱水済みとはいえ、水を吸った洗濯物は重く、腰が痛くなる。
一つ一つ丁寧に広げて干す作業はいつも思いのほか時間がかかり、仕事で急いで家を出ないといけない時は特に大忙し。
夫や自分の靴下の数がちゃんと揃っているかなど確認しつつ、夫のズボンのポケットの中も乾くように一つ一つ丁寧に出しながら干す。
干し終わってそれで終わりなら良いのだが、残念ながらそうはいかない。
洗濯物が乾いた頃には、それらを取り込み、たたんで各々のクローゼットにしまったり、タオル類をキッチンやお手洗い、洗面などにしまったりしていかなければならない。
これもまた時間がかかり面倒な作業である。

一番好きな家事と嫌いになった家事、両方挙げたが、総じて私は家事が好きである。家事をしている時、大切な家族のために働いているという生き甲斐を感じる。この生き甲斐があるから毎日を楽しく過ごしていけるのだ。
家事ができる身体があることと、生き甲斐を与えてくれる家族に感謝したい。