家事の種類はたくさんある。
社会人で一人暮らしをしている私にとっては、全てを一人でこなさなくてはならず、家事というもの自体、好きで行うものではなく、やらなければならないものとして認識している。

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平日は残業の後、ヘトヘトになって帰って来る。その後に家事をするなんてことは無理だ。
もちろん朝も、朝ごはんを食べる時間さえもままならないのに、家事をしてから出かけることは難しい。

そのため、出社が続くときは、全ての家事を休日に行っている。
休日のうち1日を家事に費やすのは、もったいない気がするが、サボると次の週の生活が乱れてしまう。
例えば、洗濯をしなければ着たい清潔な服がなかったり、掃除を疎かにすると落ちている髪の毛を見つけるたびに憂鬱な気分になったりと、仕事にも悪影響を及ぼす。

在宅勤務のときは、始業前に洗濯物を干してしまうと、気分がすっきりする。
昼休みに掃除機をかけると達成感で満たされる。

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私の一番好きな家事は、掃除だ。
掃除をすれば、目に見えて成果が分かるし、きれいになると気持ち良い。ひいては健康を守ることにも繋がる。
トイレ掃除は運気を上げると言われているので、丁寧に、そして頻繁に行うようにしている。

特に水回りの掃除をしているときは、無心になることができる。毎日使う場所の掃除は、なぜ水を流しているのにすぐ汚れるのかと思いつつも、清潔感を保てると気持ちいい。
掃除は単純作業だからこそ没頭できる。
料理の場合こうはいかない。まだ慣れていないからか、無心ではできず、2時間ほどかけて作り置き料理を作った場合、もれなく疲れてしまう。

私が一人暮らしの家で行う家事は、全て自分のためだ。
自分が生活するために必要だから行っている。
家事をしなければ自分が困る。
自分のためだけに行うので、クオリティを気にせず、自分の基準で整えたり、きれいにできる。

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そういうときに思い出されるのは、実家での母の存在だ。
家族のためにほぼ全ての家事を担っていた。
専業主婦だった時代もあり、仕事の合間ではなく、家事や育児だけを行うのはどんな気分だっただろう。

父が母の家事のクオリティに文句をつけているところは見たことないが、小さな子どもがいればそれなりに掃除には気を遣う。
父はお風呂掃除や洗い物を積極的にやっていたが、仕事で疲れて帰って来て毎日よくがんばるなぁと子どもながらに思っていた。

母は家族を支えたいという気持ちで、がんばっていたという風に思う。
家族を持つとはそういうことだと思った。

私が部活や学業に集中できたのは、母が家事を担ってくれていたからで、感謝しきれない。
今も実家に帰ったときは家事をやろうとするのだが、母からはゆっくりするように言われる。

気遣われていると思っていたが、私の家事のクオリティが気に入らないために、母は二度手間になることを恐れているのかもしれない、という可能性に気付いてしまった。

掃除が下手な横好きになっていないように、さらなるスキルアップを目指したい。