「こうあらねばならない」に縛られていた22歳の私。
「IT企業のプログラマーなら将来性ありそう」と思い、決めた内定。
しかし……。興味もなく、むしろ苦手意識もあるプログラミングにアレルギー反応を起こし、あっさり内定辞退。でもどうしよう?どこに就職すればいい?
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私は教育学部。教育業界にすればいい。私が思い描く教育の理想像に近い会社を選べば、それでうまくいくんじゃないかと、わりと惰性で選んでしまった会社に内定。
とりあえず就職できた!と思ったものの、どうしてもやりたかったことでもなく、入社して仕事をはじめるとさまざまな違和感を覚え、そのうち心も体も拒否反応のうつ状態になり、1ヶ月で会社を辞めることに。
貴重な学生生活の時間をたくさん割いて就活をした結果がこれだ。私の就活なんだったんだろう。
無駄なことなんてひとつもない。そう思うけれど、こればかりは無駄だったんじゃないかと今でも思う。
だって他人軸だったから。本来の自分とまるで違う私でいた時間だから。
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大学では学びたかった教育学を学べて楽しかったものの、いざ大学3年生で就職活動に直面すると、自分の進路がわからなくなったのです。
「本当は、就職じゃなく学生起業したい!」
「本当は就職なんかせず、アルバイトしながら何かをめざしたい!」
私の本音は就職ではありませんでした。でも、就職活動をしない起業の道を選びませんでした。自分のやりたいことよりも、世間体や他人の視線を意識した進路選びに変わっていったのです。やっぱり大学卒業したら就職だよね。就職が一番だよね。それ以外はダメだよねと。自分の「起業したい!」という本音はあっという間にどこかにいってしまいました。
何より私は焦っていたのです。「優秀な学生は大学3年生から就職活動している!私も早くしなくちゃ!」とあわてて、大学3年生から就職活動を開始しました。優秀な同級生たちが次々と就職を決めていく中、焦りと不安ばかりがふくらんでいました。
「私も早く内定とらなければ」
「私もどこか良い業界、良い企業に就職しないと」
自分の本音とはまったく違う、やりたくもない方向へとどんどんと突き進んでいきました。「自分がどうしたいのか?」ではなく「周囲から認められるには何をしたらいいのか?」や「他の学生に負けたくない」といった思い。また「どんな進路を選べば、親や社会に評価してもらえるのか?」という完全な他人軸の評価で、大学卒業後の進路を考えてしまったのです。
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社会人になり就活を振り返ってみて、当時の私に伝えたいこと。何も焦らなくていいんだよ、そのままでいいんだよ、就活で人生の大半は決まらないよ。こういったメッセージかなと思う。それよりも旅行したりバイトしたりいろんな体験をしたらいいよって。
就活は就活ととらえるのではなく、いろんな社会人と出会える手段として使い倒したらいいんじゃないかな。
正解探しをしていたわたしへ。正解はない。何を選んでも正解なのだと伝えてあげたい。
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