最近、職場の若手社員が相次いで痩せ始めている。

まず、私の1年先輩のDさん。今夏入籍予定でウェディングフォト撮影を控えているとのことで、本気でダイエットに取り組んでいる。最近フィットネスジムにも通い始めて、目に見えてスリムになってきた。

くりくりした丸い大きな目がチャーミングな女性なので、仮に100キロになったとしても全然かわいいんじゃないかと思うくらいなのだが、まだ減量したいらしい。端から見ればその必要は全く無いけど、一生に一度のドレス姿を残すのだから、意気込む気持ちは分かる。

◎          ◎ 

続いて、Dさんの同期のMさん。Mさんも明らかにシュッとしてきている。

今年に入ってから、蕎麦以外の主食を口にしていないらしい。「友達に寿司に誘われたらどうするんですか?」と聞いたら、ガリだけ食べて過ごすよ、と返ってきた。先日の飲み会でも、大皿のラーメンからネギだけを選び取って自分の皿によそっていた。恐ろしい徹底ぶりだ。

Mさんをそこまで奮い立たせている理由はよく分からない。本当は何かあるのかもしれないけど、聞いても教えてはくれない。

そして私の同期のTちゃん。彼女もジムに通っている。

Tちゃんの場合はそれだけではない。毎年6月に開かれる札幌の一大イベント、YOSAKOIソーラン祭りに踊り手として出場する予定なのだ。この春から社会人サークルに所属し、平日の仕事終わりや土日に練習を積んでいる。ジムと合わせたら膨大な運動量だ。

◎          ◎ 

私はというと、一切痩せる気配がない。ウェディングフォトの予定もないし、食事制限もしていないし、ジムもよさこいもやっていないのだから、当たり前だ。

減量の波に乗り遅れ、人取り残されてしまっている。

唯一やっているとすれば、帰り道だけ地下鉄に乗らず歩いていることくらいだ。それだって毎日ではない。疲れているときや雨の日は迷わず地下鉄に乗っている。歩くのは週に23回程度だ。30分ほどの道のりなので、1回につき150キロカロリーとすると、消費できるのは週間で300~450キロカロリー程度。非常にわずかである。

あとは、白インゲンの成分が含有されているというサプリメントを飲み始めた。理屈はよく分からないが、白インゲンは炭水化物の吸収をおさえるのだ、という旨が商品説明欄に記載されていた。多分、効果はない。飲むだけで効くサプリなんて、そんな都合の良いものは無いのだ。本当は分かっている。分かっているけど、すがりたくなってしまう。

◎          ◎ 

出来れば、今年の夏は痩せている状態で過ごしたい。

毎年思っていることだけど、年々切実になってきている。20代後半に突入して、着れる服の範囲が狭まってきている自覚があるからだ。露出がないデザインでシンプルな色味であっても、低価格なティーンズ向けのブランドは似合わなくなってきた。

これ以上、似合う服が限定されてしまう前に。職場の痩せラッシュにあやかって、せめて去年よりは軽い状態で夏を迎えたい。