バレーボールが好きです。見る方で。
中学時代にも女子バレーボール部に所属していました。しかし、バレーボールを好きになったきっかけは、その経験ではありません。当時は特にバレーボールを楽しいとは思えず、むしろ苦手意識すら持っていました。

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ところが最近、たまたまテレビでバレーボールの試合を見て、その見方が一変しました。必死にボールを繋げるその姿がとても印象的で、瞬く間に心を奪われました。特に、強烈なスパイクを軽々とレシーブする選手の技術には感動を覚え、気がつくと次の試合の予定を調べていました。

その試合をきっかけに、今ではすっかりバレーボールに夢中になっています。

中学時代は、技術が未熟なこともあり、バレーボールの本当の楽しさを理解することができませんでした。練習も厳しく、試合に出ることもストレスになっていました。
しかし今は、観客として試合を観戦することで、バレーボールの魅力を存分に味わうことができるようになりました。

特に、バレーボールならではのチームプレーや戦略の奥深さに魅了されています。全てのプレーには意味があり、ボールに触れていない選手の動きでさえも、得点につながっているのです。

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試合を観ていると、実際にプレーしたくなります。
中学を卒業してからは、高校では軽音楽部に所属し、大学では部活やサークル活動には参加せず、スポーツからは10年近く離れていました。それでも、選手たちが実際にプレーする姿を目の当たりにすると、また自分もやってみたいという気持ちが湧いてきます。
こんなにも簡単にスポーツに夢中になれたことに、自分でも驚いています。

もともと私はスポーツに対して苦手意識がありました。
運動は疲れるし、スポーツが好きな人とは話も合わないと感じていました。私は読書が好きで、スポーツを楽しむ人たちは読書をあまり好まないという印象もありました。

全く違うタイプだと思い込んでいましたが、私のようにある日突然スポーツにハマることもあるのです。

これこそがスポーツの魅力なのかもしれません。それまで全く興味がなかった人でも、たった一瞬のプレーでその魅力に引き込まれることがあるのです。しかも観戦する分には、上手いかどうかは関係ありません。
だからこそ、スポーツはこれほど多くの人々に愛され、大きな市場を形成しているのでしょう。

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一方で、活字文化にはこのような入り口があるのかどうか、疑問に感じることがあります。活字好きとスポーツ好きは対極に位置するように思えますが、もしかしたら活字文化は読書に馴染みのない人々に対して、適切な入り口を用意できていないのかもしれません。
スポーツ選手を見てスポーツを始めることはあっても、本を読んでいる人を見て読書を始めようとは思いませんよね。

少なくとも、スポーツの世界はその入り口を常に開いています。多くの人々を魅了し、多くのお金が動いています。私たち活字文化の住人も、衰退しつつある市場を拡大するための新しい入り口を見つける必要があるのかもしれません。
果たしてどのような入り口を作るべきなのか。
今の私のスマホのロック画面は、あの日私を魅了した彼のレシーブシーンです。