「ねえ、うちの得意なことってなんだと思う?」私は母に聞いてみた。"実は"得意だったこととは、自分では自覚していない事だと思ったからだ。母はしばらく考えたあと、「なんかいろんなことに物怖じしないで挑戦することは、すごいと思うよ」と言った。
確かに、私は幼い頃から挑戦することが好き。

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幼い頃から地域のサマーキャンプなど行事によく参加していた。小学生の時は文化祭のステージ発表の代表をやりたがった。とにかく代表というポジションになりたくて、ことある度に立候補していた。6年生の時に謝辞を失敗して叱られた時はさすがに凹んで、しばらく人前で話すことが怖くなったけど。

中学受験でも、担任からの一言だけで公立に加えて私立も1つ受けることを決めてしまった。その私立は超難関だったので、あっさり落ちてしまったが。試験に向けて自分なりに頑張っていたので、今となってはいい成長の機会だったと思っている。

中学の部活動では大して上手くもないくせに副部長を務めた。仕方なく引き受けたふりをしていたが、本当は嬉しかった。

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高校生の時には大学の研究プログラムに参加した。このプログラムに参加することを決めた時のことは、今でも鮮明に覚えている。受講生募集のポスターを見た瞬間に、ビビッときたのだ。勉強や部活のことなど微塵も気にしなかった。選考があると書いてあったことには気づいたが、それも特に気にしなかった。一目見て、参加を決めた。

友達を誘ったり先生に相談したりしてもよかったのだろうが、親以外には言わずにその日のうちにさっさと応募した。選考の時の番号の早さが、私の決断の速さを物語っている。このプログラムに参加したことで、私は人生で最も大事だったと言える一生忘れられない出会いと経験をした。このことは以前のエッセイに散々書いているので割愛する。

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大学に入ってから、私の挑戦力はますます発揮される。私の大学には、集中講義という通常の講義以外に取ることができる講義がある。主に休日や長期休暇中に開かれていて、座学もあれば実習もある。私はその中の、泊まりがけで行われる実習に参加した。受講者は抽選で決まるため、友達を誘うこともできない。初対面の人達と1泊の共同生活をする。今思えばなかなかに特殊である。嫌な人にとっては耐え難いかもしれない。もちろん、私はそんなことは気にせずに、好きなことを学んでたった2日で単位取得できるなんて最強やん!と、参加を決めてしまったのだ。

夏季休業中には、研究所や他の大学で開かれる実習に応募した。遠くの実習先にももう1人で行けちゃうし、新しいコミュニティに入ることは楽しみで仕方ない。問題は、バイトを頑張ると決めていたのに予定を入れすぎて全然稼げていないことだ。来年のイギリスへの短期留学に向けてお金を貯めるって決めたのに……。

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もはや挑戦というよりただの考えなしみたいになってしまったが、躊躇せずにやりたいことに飛び込むということが得意なのかもしれない。

知り合いの少ない、またはいない環境で行動することに対して抵抗は全くなかったように思う。1人っ子というのが理由かもしれないが、1人で行動することはたやすい。それがいつのまにか行動力に変わっていた。慎重になることもあるが、とにかくワクワクする方、面白そうな方に思い切って進む。これが私の行動パターンであり、得意だったことだ。