わたしが実は得意だったことは、「料理」だ。ひとり暮らしを始めるまでは、学校の家庭科の授業で1年に数回ある調理実習でやったことくらいしか経験がなく、毎日、朝ごはん・昼ごはん・夜ごはんを母親に頼り切っていた。

ちなみに、母親はずっと実家暮らしで、わたしと同じくずっと祖母にご飯やお弁当を作ってもらっていたらしい。結婚する前に花嫁修業として、肉じゃがなどの料理を祖母に教えてもらったそうだ。

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わたしは特に、母親から料理を習うということはしなかったが、ひとり暮らしをすることが決まってからは、気が向いたときにたま〜〜に、母親が仕事がある日にお味噌汁やカルパッチョなどの簡単な料理を作っていた。それまでが、あまりにも料理をやらなさすぎて、少し夜ごはんを手伝っただけで、とても母親に感謝され、「美味しい!」と食べてもらえた記憶がある。

社会人になってからひとり暮らしを始めて、朝ごはんは卵かけごはんを食べている。実家で暮らしていたときは、朝食は必ずパンだった。父親も母親も無類のパン好きで、父親は朝ごはんが毎日パンにも関わらず、昼ごはんも菓子パンを食べている。

正直、パンは腹持ちが悪く、菓子パンはその名の通り主食ではなく、お菓子に分類されるため、だれにも干渉されないひとり暮らしになってから、朝食には白ごはんを食べている。

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毎日、毎日、卵かけごはんを食べていると飽きてしまうため、仕事が休みの日は、目玉焼きとチーズトーストを食べるようにしている。朝ごはんを食べずに会社に来る人もいるらしく、そういう人からはエラいねと言ってもらえる。

また、会社には毎日お弁当を持って行っているのだが、そのことに関しても色んな人から、エラいねと言ってもらえる。休憩時間に外食をしに行くと、並んでいる時間や提供までの時間がかかってしまった場合、お昼休みの時間内に会社に戻ってこられるかヒヤヒヤする可能性がある。

同僚はコンビニやお弁当屋さんで買ってきて、社内で食べている人が多いが、それだけで足りるのか?という量の人や、野菜が一切なくバランスが良いとは言えないお昼ごはんを食べている人ばかりである。

もちろん、夜ごはんも自炊をしている。毎日、会社から帰ってきてすべてを作る時間はないため、豆腐や納豆、もずく、めかぶ、トマト、アボカド、レタスなど調理せずに食べられものを冷蔵庫にストックしていたり、何日か分食べられるようにたくさん作っておいて、食べるタイミングで電子レンジでチンしたりするときもある。ひとり暮らしをしていない人からも、「自炊をしている=すごい」と言ってもらえる。

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ひとり暮らしだと、自分の好きなものを好きなだけ食べられる。気付けば、家事の中では掃除や洗濯よりも料理が好きになっていた。タイムパフォーマンスが良いかはわからないが、健康やお財布のためには、自炊は良いと思う。そんなわたしも、年々、凝った料理はしなくなってきているが……