異性とのお付き合い。これって決して珍しいことではないし、ある程度の年齢になれば、たぶん、経験するものなんだろうな~と思いながら人生を歩んできて今に至る。
うーん、恥ずかしながら、結局、彼氏いない歴=年齢になってしまっている。子供の頃はともかく、ある程度年齢を重ねると、例えば、成人を超えたあたり、どっかのタイミングで異性とのお付き合いを経験するものだと勝手に胸をふくらませていた。
しかし、神様が王子様を連れて来てくれる訳でもなし、自然な出会いを運んでくれる訳でもなし。決して神様が悪い訳ではなくって、これは正真正銘、私の課題なのだ。
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恋愛に限らず、例えば、友達を作るにしても、私はどうしても、何かしらの「所属」を求めがち。学生の頃は学校やサークル、社会人になってからは職場といったように。その所属の中で気の合う友達や恋人を探しがち。それは、決して悪いことではないけれど、やはり、視野は狭くなってしまう。
所属の中で何らかの出会いを見つけるにしても、所属の大小によってチャンスに巡り合える確率が異なってくると思う。例えば、大きな職場であれば、たくさんの人と接する機会があるだろうけれど、小さな職場だと毎日接する顔ぶれにさほど変化はないと考えられる。そもそも、同じ所属で見つけようとする魂胆が私の足を引っ張っているのかもしれない。
最近、朝の通勤時に駅で見かける人がいる。あくまで主観であるが、年齢は20代半ばくらいの好青年。夏の暑い季節、彼の手にはミニハンディファン。その姿がなんとも清々しい。一言も話したことないけれど、好印象。それ以来、毎日見かけるようになって、3日くらい経った時に、相手もいささか私の存在に気づいているように見て取れた。
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私も彼も、電車が来るまでは暑いので、ホームの日陰で待っているのだが、電車が到着すると、お気に入りの乗り場へ移動するのである。その理由は降車駅の出口が近くて便利だからだ。私も彼も降車する駅が同じ。もしかしたら、考えていることも同じかもしれない。毎朝、その謎の行動を二人して取っていることがなんともおもしろおかしく感じる。
そんな共通点があるのだから、いっそ話しかけてみたら良いのに…と思うところだが、なかなか勇気が湧いてこない。今まで見ず知らずの人にささやかな好意を持って話しかけたことなんて一度もない。話したことがあるとすると、ささいなことで「すみません」や「ありがとうございます」といった挨拶程度で、お互いの身の上話なんてしたこともないし、どう会話を展開すれば良いんだろうかと頭を悩まされる。
しかし、せっかくのチャンス。とりあえず、話しかけるだけ話しかけてみるか…でも、最初の一言は何?こっちが話しかけていることを確実に気づいてもらうためには…いっそ彼に向かって手を振ってみるか?けれど無視されたら辛いし、ハードルが高いなぁ…こんな時は笑顔に頼ってみるか!笑顔で話しかけられて嫌な気持ちになるケースは稀だと思うから。さあ、いつ声をかけよう…。
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恋愛って私にとっては遠い存在だった。学生の頃は学校の課題や友達付き合いで精一杯。恋愛なんて考えられる余裕もなかった。それが、こうして、ああだのこうだの考えられるようになっただけでも我ながら大きな進歩だと思う。
そんな訳で私は異性とお付き合いをしたことがないので、20代に、いや20代のうちに、ぜひともそれを経験しておきたい。もちろん、傷つくこともあるかもしれないけれど、それも一種の社会勉強だと思って。友達の恋愛話をただただ聞くだけの私からは卒業したい。
私がもし、駅で彼に声をかけたら、今後どのように進展するのだろう…妄想ばかりが膨らむが、そうしたちょっとしたチャンスを見逃さず、行け!私!