【ナンパ】
ひよこ鑑定士のようにすれ違いざま一瞬で抱けるか抱けないか・イケそうかイケなさそうかを判断され、声をかけられる行為
※茶柱が立つ確率程度の例外あり(ナンパで知り合った両親からできた命が私である)

以上、私の辞典より。

「ナンパされた」と言うとモテ自慢だと嫌味に捉える人もいるので、「ナンパされた」に含まれた自分を軽んじられた怒りや悲しみを一人で飲み込んでいる人も多いのではないでしょうか。

私もその一人です。

今こそナンパの話をしましょう。

私がナンパをされるようになったのは高校生になってからで、大学生の今でもこのパターンが一番多いです。社会人になっても続くのでしょうか。

電車を降りた直後、逃げ場を失くしてからのナンパはもはやストーカー

ナンパパターン1【いや、怖いわ】

通学中の電車で知らぬ間に値踏みされていた私は学校の最寄り駅に降りてから声をかけられます。

このとき、私は遊びに行った街でナンパされるときの3倍は丁寧な対応を心がけます。

何故なら高校生のときは制服、大学生の今は私服ですが、最寄り駅がわかればどこの学校の生徒か見当がつくからです。

学校に向かっていますから、ナンパのためにわざわざ遠回りして身元をはぐらかす時間もありません。私の態度が気に障って逆上されたら、すぐにどこの誰か知られてしまいます。

ストーカー被害経験者としては、身元がバレたらなにをされるかわからないという不安でいっぱいです。

だからなるべく丁寧に。
でもそうすると「イケるぞ!」と勘違いされ、学校までしつこくついて来そうです。
この対応の塩梅に頭を抱えます。
なぜ、清々しい朝から、こちらの気持ちも考えられない赤の他人にここまで気を使わなければいけないのでしょう。

どうか電車にお気に入りの傘を忘れて永遠に見つからないでください。

終電で乗り過ごして知らない田舎駅に着いた暁には獣の声に怯えながらベンチで凍えて一夜を過ごしてください。

そして二度と「最寄り駅に降りたとき」という相手が逃げられないタイミングを狙って話しかけるな!!

失礼、取り乱しました。
次にいきましょう。

道案内は終了しましたよ? これ以上ついてこないでください

ナンパパターン2【それスマートじゃねぇから】

私は子どもの頃からどこにいても道をよく尋ねられます。

優しそうに見えるからだと親に褒められるのを鵜呑みにしていましたが、ナンパされる年齢になってからは、"優しそう"は"舐められている"の裏返しだと知りました。

道を聞かれたら断る理由もないので時間の許す限り案内します。

自分もわからなければグーグルマップを開き、説明しても理解してもらえなければ一緒に行きます。

が、道中、違和感に気づきます。

ナンパ「この辺、道わかりづらいですよね~」
わかる。
我「ですよね~」

ナンパ「お姉さんは社会人?学生さん?」
ん?無言で歩くのが気まずいのかな?
我「学生です」
ナンパ「へぇ~。彼氏いるでしょ?」「今日はお休み?」「サークルとかバイトとかなにやってるの?」
おいおいおいおい、ちょっと待った。

このように馴れ馴れしくしれっとタメ語に変えてくる人もいます。

そして案内を終了すると、
ナンパ「このあとお茶どうですか」「連絡先教えてもらえますか」
私「え、無理です」

しかしこれまでやんわり話していたから、ガン無視のハードルがあがります。

なのでグイグイ来られます。

でも無理なものは無理なので結局ガン無視キメてその場を去ります。

ついてくる人もいます。

え?君、道迷ってたんじゃないの?となります。

全て罠なのでしょう。

ナンパ男からしたら、道案内に見せかけて警戒されることなく、会話で心を開かせたあとに食事や連絡先交換にこぎつけて、「あー!スマートな俺☆」と思っているのかもしれませんが、天に誓ってスマートではありません。

こちらは抱ける・イケそうと勝手に判断された挙句、人の善意につけ込んで嘘をつく人に
人生の貴重な時間を割いて、労力を使い、愛想よくお喋りしていたのか……。
という虚無感とに襲われ、怒りのやり場もないので無意味に競歩並に早足になります。

男性というだけでスルー これは身を守るために仕方のない選択

そんなことが何度もあると、ナンパと決まったわけではなくても男性に話しかけられるだけで咄嗟にスルーしてしまいます。

嫌悪感、面倒に巻き込まれたくない、怖いといった理由からです。

でも本当に道を尋ねたいなど真っ当な理由で普通に話しかけてくる男性からしたら、私がガン無視や睨み、舌打ちをすれば、
「なんだあの勘違い女w」
とカチンと来るのも仕方がないです。

ですがこちらはこちらで自分の心と身体を守るために男性に警戒感を募らせるのは仕方がないと思ってしまいます。

だってもし酷いことをされても、女の私は危機感が足りないだの責められますから。例えばナンパを断ったら殴られた事件も記憶に新しいです。それでも被害者がセカンドレイプに遭う社会レベルです。

見知らぬ誰かに話しかけられる度、親身になれば嫌な思いをし、とは言え無視をキメれば家に帰っても罪悪感で眠れません。

勘違い女の裏側にはこういった事情もあるのだと、わがままを承知で頭の片隅にでも把握してくれたらありがたいです。

触ったりしつこかったり それってナンパじゃなくて、もはや犯罪

他に色んなナンパのもやもやがあります。

身体を無許可で触られたり。
「一目惚れ」と言って外見褒めちぎれば落せると思われ。
断れば「ブスが調子乗るな!死ね!」と暴言を吐かれたり。

だからナンパの多いスポットをなるべく避けて遊びの予定を組み、どうしてもそこに用事があるときは地味な格好をして猫背気味に歩く、遠回りをする不自由さです。

でもちょっと面白かったのがマスクをつけているのに、
「ナンパじゃないんですけど、顔がタイプだったので声かけちゃいました。LINE交換しませんか?」
と声をかけられたことです。

「それをナンパって言うから!あとマスク外して死ぬほどイメージと違ったらどうする気なのかだけ聞かせてくれ!」と咄嗟に突っ込めなかったことだけが後悔でした。

最後に。
ナンパはよくないと考える男性が大勢いますし、そういった男性が増えてほしいです。

そうなれば話しかけてきた男性と素直な心で接せる人は増え、大多数のまともな男性が涙の果てに誕生せざるを得なかった勘違い女に泣かされることも減るでしょう。

しつこいナンパは軽犯罪法違反に当てはまるケースもあります。

女性のために、まともな男性のために、自分の尊厳のために、ナンパではなくどうぞマッチングアプリをお使いください!