まんまタイトル通りである。私は今、実際に生まれて初めてマッチングアプリをスマホにinしてみたが開始3日目あたりからゴミ箱にアプリをポイしたくてたまらない状況の真っ只中に居るのだ。
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唐突で申し訳ないのだが実は私はセクシャルがアロマンティックだ。
ここら辺の説明は書き起こすと地味に長くなるからおおまかに割愛させて貰うとして、そんな私がひんやりとした部屋の中で寝そべっていたある日の午後。1週間くらい前だろうか、ふと私は「恐らく一生を通して私は誰とも同棲もしなければ結婚もしないだろう。しかし、そんな私が仮に誰かと長い時間を共有してみるとしたら、それはどんな感覚になるのだろうか」と、何故だか唐突にしみじみと考え込んでは、そうだいつしか小説家として飯が食えるようになった時のネタになるのではないかと美味しいことを閃き、気がついたら数ある中から雰囲気の良さそうなマッチングアプリを入れてみたのだった。
勿論、前述した通り私はアロマンティックなので、生涯を通してぬいぐるみ達と共にのびのびと暮らしていく自信しかない(あくまでも私の場合)。その上で、そもそも人懐こく、人見知りなどというナウなはにかみ屋さん達とはかけ離れている位置に存在しているような人間ではあるものの、それはあくまで私の中にある一面的な性質であって、それとは別に親友と父親以外の人間と2人きりで長い時間を共にする、というものはとても面倒くさく非常にしんどいと思ってしまうタイプなのだ。
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こんな人間だ。恋人もクソも無いかもしれないが、とにかく今回は実験的要素を交えてマチアプを入れてみようと思ったのだから何せほんの少しでも自分の何かに足されるものがあれば御の字だと思った。
と、思ってマチアプを入れてから2週間は悠々と経ち、大嫌いな蝉達がアパートの各部屋の前にゴロゴロと死んでいく様を見届けながらなんとも言えない香ばしい想いに胸熱く耽けている今日この頃。
メッセージを返信するのが怠くてしょうがない。
これは恐らく登録している男女共に言えることかもしれないが何せイイね!の数が圧倒的ハンパではなく、それに伴いメッセージを貰う数もハンパないのだ。また男性の方は金額が生じているからなのかとにかくすぐに会う/LINEを交換したがって来てそれが単純に怖い。
私の中に断固としてあるマチアプ=投資勧誘・ヤリモク=あかん。という立派な方程式がここぞとばかりにくっっきりと色を付けて頭の中に表示されている。
一度、良い方向に考えて「恐らくこのお兄さんは本気で恋人を探していて、だからこそ早々に会って自分と相性が合うか合わないか考えているのではなかろうか」と思い立ち、試しに直ぐ様会うことを承諾してみたやり取りが有ったのだけれど、そこから提示された案が外は暑いから俺の部屋で会おうというバチクソしょうもない案だった。
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私は流れるようにコノオトコ、ヤリモク、糞。と運営に報告し、親友に実況LINEを送りつけては溜息を吐いた。シンプルにこの私という人間を甘く見られたことが悲しかったのだ。或いはそんな言葉にぽいぽいついて行くような性にフッ軽女と思われたことがなんとも悔しかったのだ。
親友の、相手は数うちゃ当たる論で女を落とそうとしに来ている説に励まされながら他にも19歳の年収1000万男やにこにこLINE電話強要男をブロックしては本当にサラッとアンストしそうな勢いになってきたのでこれはあかんあかんと必死に思い止まり別の方向へと作戦を変えてみた。
その作戦とは単にプロフ欄を恋人ではなく男女ともに(女の子ともマッチ出来る)友達を作りたいという旨に変えることだ。コレなら仮に会って良い感じになったとしても断れるし逆に友達からいい感じになってもしかしたら恋人路線へ、というのも行きやすいだろう。
せめて、5人の男の人とは最低会おう。そして、出来る事なら本当に男女関係なく我が食べ放題開拓にノリよく付き合ってくれる食いしんぼちゃんの友達が出来たらうふふ最高だなという目標を達成すべく、今日も私はさらっとアプリをゴミ箱にポイしないように気を張っている。