眠れない夜というと、私は高校生の時を思い出してしまいます。
その頃、私は念願の第1志望の高校に入学したにも関わらず、学校に行くのが辛いと思っていました。きっかけは軽く体調を崩して休んだだけでした。しかし、数日休むだけで授業はあっという間に進んでしまい、要領の悪い私はすぐに置いていかれてしまいました。もちろん先生、友達、親、勉強ができる人すべてに質問しました。予習、復習も欠かしません。問題集も夜遅くまで繰り返し解いたりと努力を怠っていたわけではありませんでした。しかし、1度開いた差を埋めるには多くの時間と労力が必要です。数日の差を埋めるために、何週間も睡眠時間を削りながらガムシャラに勉強をしていたせいか慢性的な体調不良となり遅刻、早退、欠席も増えていきました。そうなるともう取り返しはつきません。
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優しくしてくれていた友達も私よりもはるかに成績が良く、絶対にこの子には敵わないなという劣等感と、休みがちなことからどこか友達とも仲良くなりきれないため孤立感があり、気付けば高校に行きたくなくなっていました。入学するために必死になって勉強し、合格したときは涙がでるほど喜んでいたにも関わらず。1年生が終わる頃には寝るのが嫌になっていました。寝てしまえばすぐに朝が来る。朝が来たらすぐに学校に行かなければならない。まだ授業内容についていけてないからもっと勉強しなきゃ。時間が足りない。寝てる暇なんてない。もう嫌だ。しんどい。何もしたくない。なんでこんなにも成果が出ないの。どうしたらいいの。もう終わらせてしまいたい。
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朝が来るまでずっとぐるぐると頭のなかで焦りと不安と逃げ出したい欲が絡まりながら勉強していたのを覚えています。当然、このような状況では勉強しても身に付きません。留年こそしなかったものの、上位1割に入っていた成績は、卒業する頃には下から数えた方が早い程さがっていました。その後、卒業して大学入試が終わってからやっと生活リズムが戻りました。
体調をくずしたあの日から約2年半。思い描いていた高校生活とはかけはなれた毎日でした。私だってもっとキラキラした青春を送りたかった。高校は楽しい場所でありたかった。それが叶わなかったことを今でも後悔しています。
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大学入試は現役は失敗し、浪人の末、地方の大学に入学しました。今は田舎でのびのびと大学生活を楽しんでいます。生活が安定した今ふり返ると当時は生きているだけで必死だったんだなと思います。人間は追い込まれるとここまで変わってしまう。心身ともに疲れはてていたあの頃の経験から、健康の大切さを痛感し大学では人間の健康を支える研究をしております。こうやって大学で健康について勉強することによって、あの頃の私が少しでも救われるような気がします。忙しい大学生活ですが、睡眠時間は最低限確保するように心がけております。不安なく眠りにつける毎日には感謝の気持ちでいっぱいです。