私は、今の日本に対して、特に危惧していることがある。それは、年々進行していく少子化問題だ。高齢者が増え、未来を担っていく子どもたちの数が減っている。それは、近い将来の日本に想像以上に深刻な問題を与えるものだ。こうなった背景として、未婚や晩婚が増えていること、政府の子育て支援が充実していないことなどが挙げられる。

「お金があったら…」「もっと子育て世代に優しい世の中になってくれたら…

こういった世間の見えない声を、私もたまに感じることがある。

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私は、未就学児2人のシングルマザーだ。元夫の不貞が原因で、約2年前に離婚した。
子どもはまだ4歳と3歳の年子の兄弟。女手ひとつで彼らを育てるのは、現実としてとても厳しいことだ。その覚悟はしていたものの、やはりしんどいと思うことの方が断然多い。

離婚してすぐはしばらく実家にいた。育児や家事は自分でしていたが、子どものことを話せる大人が身近にいるのは心強かった。あるきっかけで、私と子どもたちだけで実家を出て引っ越すことになった。新しい家は、実家から車で10分ほどの距離でそう遠くはなかったが、全て1人でこなさなければならない環境は、自由でもあり、やはり大変だ。

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そもそも、世の中の子持ちの、特に母親に対する理想と偏見が大きすぎるように思う。
育児や家のことは母親がやって当たり前。父親は外で働いて金を稼いできて後は全て妻任せ。その中で少しでも子どもの世話をしようものなら「イクメン」と過剰にもてはやされる。確かに昭和の頃の時代ならそれが当たり前だったかもしれないが、時代は変わっていく。最近は女性も働くことが当たり前になり、専業主婦は肩身の狭い想いをさせられる。その上で、家事や育児も1人で担えというのは、あまりにも酷なのではないか。

私はひとり親だから、稼ぎ頭になり、家のことや子どもたちのことも全て自分ですることは当然のことだと考えている。もちろん、父親という存在がいてくれたらなと思う時もある。子どもは父親の背中を見てたくましく育っていくからだ。一応私にも彼氏はいるが、まだ子供たちには会わせていない。彼は困ったことがあればいつでも力になると言ってくれているが、子どもたちのこととなるとどうしてもまだ遠慮してしまう。

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しかし、夫婦揃っていても、何故か妻側にだけ負担が大きすぎるという話はく聞く。それは、前述したとおり、昔から積み上げられてきた無意識の偏見がそうさせているのだろう。
本来、自分の子どもなら、妻も夫も、全力で育児をするのが普通なのだ。

「仕事で忙しいから」「疲れているから」「家や子どものことは妻の仕事だから」

そんな意見や考えは、通用しない世界であってほしい。

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今、急速に時代は変化している。恐ろしいほどのスピードでAI技術が発達し、どんどん人間の仕事は取られている。人間らしい温かみはないが、正確で完璧なテクノロジーはこれから先どんどん私たちの生活に入り込んでいくだろう。
しかし、どこかでまだ、女性側の大きすぎる負担問題は完全には消えていない。

どうか、10年後の世界は今より良くなっていますように。もっと女性の声が尊重されて、男女共に生きやすい世の中になっていますように、と願うばかりだ。