「うっ、こんなにも引かれているのか」
給料明細の控除項目を見て、私はうなだれる。
働いて稼いだお金も、当たり前だが税金として毎月、数万円引かれてしまう。雇用保険、健康保険、厚生年金、あと所得税と住民税……。
生きているだけでお金が必要になる世の中。ケチケチな自分は、支払った税金分、もとを取らなくてはと焦ってしまう。
支払った税金分もとを取りたいと思った私は、図書館へ通うことにした
特にもとを取りやすいのは、住民税ではないだろうか。そこで登場するのが、図書館である。
私の場合、毎月8,000円から9,000円ほど住民税を支払っているので、1,000円前後の本を10冊ほど毎月借りれば十分、住民税のもとが取れる。気になった本があって購入しようか迷ったとき、私は一度図書館で借りてから、考えるようにしている。そして、手元に置いておきたいと思ってから購入することで、購入の失敗がない。
また100%ではないが、図書館にない新作の本も受付のカウンターでリクエストすることで図書館が買ってくれることがある。たくさん利用してなんぼである。
ただお得というだけでなく、私は図書館の本自体が好きだ。
セロハンテープが貼られていて、ボロボロな本も、いろんな人が手に取って引き続いでいったという歴史があり、親しみを感じる。みんな、私と同じように、物語のこの場面で泣いたのかなとか。想像を膨らませることが楽しい。
ときどき、前に借りた人の貸し出し票のレシートが本に挟まっているときがある。そのときも、この本を読んだ人は、ほかにこんな本も借りているんだ、自分も借りてみようかなと思うことができる。
図書館の本を通して、地元の人たちと交流しているといった感覚かもしれない。本の世界が少し広がるような気がする。
図書館に通えない人は「電子図書」がおすすめ!
忙しくて、そんな図書館にしょっちゅう行けないよ、という方もいるかもしれない。そんな方は、本の数は限られるかもしれないが、電子図書がおすすめである。
地域によっては、電子図書をしていない図書館があるかもしれないが、新型コロナの流行もあって、図書館の本を電子化しようという動きが増えてきているらしい。一度、電子図書をやっているか、調べてみてはいかがだろうか。
会員番号とパスワードさえあれば、もちろん無料で読むことができる。重たくて持ち運びの難しい専門書も、電子図書なら気軽に読むことができる。
気づけばお金のことは忘れて、心地よい本の世界にずっぷりと溺れている
ほかにも図書館は、色んなサービスをしている。特にお得なのはレファレンスサービスである。
調べたいことがあるが、どの本を読めばいいか分からないといった悩みに図書館員さんがサポートしてくれるのだ。大学のレポートや仕事の企画、プレゼンのための本を一緒に探してくれる。
TVで見たのだが、どこかの企業の社長さんが起業前、お金がないときに、図書館のレファレンスサービスを利用してたくさんの情報を集めて、それが成功につながったというエピソードを話していた。
おそるべき図書館。やっぱりたくさん利用して、なんぼである。
税金のもとを取ろうという邪念からきた私の図書館通い。だけど、気づけばすっかりお金のことは忘れて、心地よい本の世界にずっぷりと溺れている。
今月の入荷本やおすすめの本は、何だろう。
わくわく高まる気持ちを胸に、休日の私は自転車をこぎ、風に乗って、図書館へと向かう。