高校時代、漠然と「4年制大学」に行きたいと思っていたが、私は優秀な学業成績を収めることができなかった。卒業後、私立大学に進学し、奨学金を借りること、返済時は利子付きで返すことに決まった。
大学時代はまともな成績は取れたが、上位数名のみ手にすることができる、学費減額制度には届かなかった。4年間、月80,000円程の奨学金を借り、利子付きで18年間支払う義務が生じた。
借り物とはいえ、通帳を見るたびにお金が増えていくのを見て、「アルバイトは増やさないで良いかな」と、金銭面を甘く見ていた。
毎月約18,000円。大学卒業後、奨学金の返済が始まった
大学卒業後、返済が始まった。毎月約18,000円。
田舎の企業に一般職で入社したため、給料は平均より安い。実家暮らしなので、出費は一人暮らしより少ないが、毎月約50,000円を家に入れている。
車通勤が主流な地域なため、上司からは「いつ車買うの?車が無いと不便だよ」としつこく言われ、中古車を購入した。車のメンテナンス費用や車検代も掛かる。ガソリンの給油も1ヶ月に2回はしなければならない。
通勤費として、月2,000円を支給されているが、到底足りない。その他、病院代や買い物を含めると、手元に残るお金はわずかだ。
ある日、仕事で銀行に行った際、窓口の人から「積立」のキャンペーンの勧誘をされた。メインで利用している口座とは異なる「積立専用口座」に、毎月指定した額を指定した日にちに積立できる仕組みを知った。
勧誘には乗らない主義だが、お金が減る訳ではないので一旦保留とした。勤務先では「財形貯蓄」制度がなく、積立をするなら個人で銀行の積立の契約をしなければならない。
友人に相談すると、「え、積立まだしてないの?私はとっくに始めてるよ」とのことだ。
周りの人の真似をして、銀行での積立と500円玉貯金を始めた
知らぬ間に、周囲は未来に向けて、あるいはお金の使いすぎに気をつけるべく、積立を始めていたのだ。「一歩出遅れてしまった」と思い、正式に積立を始めることにした。初めは様子見で5,000円から積立をし、現在では月30,000円ずつに金額変更をしている。
また、上司の1人が500円玉貯金を行なっていることを知った。何年も前から、簡単には蓋が開かない貯金箱に貯金していることを聞き、私も真似しようと思い立った。
500円玉からスタートし、後に50円玉も集め始めた。家にある貯金箱に入れて、半年に一度、積立専用口座に小銭も入金し始めた。通帳には、振り返った時に何円玉を入金したか分かるよう、鉛筆書きでメモしている。
ただ、今後、大量硬貨の入金には手数料が必要となる可能性が高いので、小銭の貯金は廃止するかもしれない。
社会人になって直面した金銭面での現実。経済の奥深さを学んだ
先取り貯金として積立を始めて以降、少しずつではあるが着実にお金を貯めることができている。だが、奨学金完済には程遠い。貯めるだけではなく、お金を増やす方法はないのか。
銀行に勤めていた友人に相談すると「積立投信」「NISA」を紹介された。だが、増やすこともできるが、投資した額より損する場合もある、リスク付きの商品だ。
銀行員さんからアドバイスを頂きつつ、沢山悩んだ末にNISAを始めることにした。まだ始めて2ヶ月程だが、納得して選んだ商品の値動きをチェックすることは新鮮で、経済の奥深さを学んだ。
学生時代は金銭面を甘く見ていたが、社会人になってからは現実に直面した。だからこそ、どうお金と向き合うべきかを真剣に考えて行動している。奨学金完済時期を早めることを目標に、今年は家計簿もマメに記入してコツコツ貯金したい。
また精神面では、欲しいものを我慢して、気持ちの豊かさに制限を掛けないようにしている。たまには通帳を開き、通常の口座の収支のバランスを確認し、積立専用口座を見て前向きな気持ちになる時間を作るようにしたい。