PMSの症状や生理痛。「恥ずかしい」という気持ちからなかなか周りの人、特に異性には言いづらいと感じている人は少なくないはず。私自身も「痛い」「つらい」と周りに伝えるのに、とても勇気がいる。

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中学へ上がる少し前に始まった生理。運動部で激しく動くたびにナプキンがずれていないか心配になったり、生理痛がつらくても必死に堪えながら授業に出たりした。中学では人間関係に悩んでいたこともあり、そのストレスとPMSが重なって余計にイライラしてしまうこともあった。

生理という、月に1度(タイミングによっては2度)くる地獄。大人になってからは、それを乗り切るのに大分慣れた気がする。PMSもそのときによって波はあるけれど、上手くコントロールできるようになってきた。でも、社会に出てから不満に思うことがある。

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仕事柄、私がいる業界は男性の割合が圧倒的に多い。急な生理でナプキンがない同期の子から助けを求められたときは、お互い小声で会話。それから、まるでいけないものを取り引きするかのように、ササッと相手のポーチの中にナプキンを入れてあげる。何も悪いことはしていないのに、コソコソしなければならない。当たり前のようにしてきたけれど、心のどこかでは「おかしい」と思っていた。

前職も現在の職場でも、「女性の自立」を謳っていながら生理休暇はない。その制度がすべてというわけではないけれど、会社として生理への理解や配慮が足りていないと感じる。会社が言いづらい雰囲気を作っている。そのせいか、生理を理由にして会社を休むと言う人は誰もいない。

せめて、生理であることや症状がつらいことを伝えやすい環境を作りたい。そう思った私は、少しずつ行動していくことにした。いきなり直接的な表現をする勇気がなかったので、最初は「月のもの」と言い換えて伝えるようにした。戸惑った様子の男性社員もいたけれど、本当のことだし何も恥ずかしいことは言っていないので堂々としていた。

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現在は、伝えることにすっかり慣れてきた。自分の中で「月のもの」と遠回しに言わなくても大丈夫だと思えるくらい。なので、気づいたら「生理の症状がつらいので」と、普通に言えるようになっていた。男性の上司は「今まで生理のことを言ってきた子がいなかったから最初は驚いたけど、結構これって大事なことだよね」と、理解を示してくれた。私の中では、大きな1歩だった。

職場という身近な場所においては、以前よりも良い方向に変えることができている。でも、社会という規模ではまだまだ。10年後、学校や職場で周りを気にせずに生理の話ができて、そのときの体調に合わせた学習や働き方ができている。そんな社会になっていることが、私の理想。実現させたいし、そうなるべきだと思う。だから、1歩、また1歩前に踏み出して、私にできることをしていきたい。