社会人3年目。25歳になった。
周りの友達のなかには、結婚をして家庭をもったり、夢を実現させていたりする人が増えてきた。
子どもの時は、大人になれば働いて、適齢期になれば自然と結婚をして子どもを産むものだと思っていた。でも、現実は違った。
25歳の秋、私は仕事とも恋人とも別れることにした。

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違和感を抱いたのは21歳の時だった。
自分が何のために生きているのかわからなくなった。自分は何が好きで、何がしたいのか。このまま歳を重ねていっていいのかわからなくなった。

両親に相談をすると、「みんなそんなもんだよ」と言われた。「そうか」と思い、変に考えることはやめ、違和感を抱えながらも大学生活を送った。

3年が経った24歳の時、私は海外への憧れが強くなっていた。初めてラスベガスに行った時、真夜中でも光り輝く街を見て、世界の広さを知った。だけど、私が住んでいる世界は24年間、ずっと47都道府県ある中の1県1市の中から変わることはなかった。周りの子は環境が変わっているのにも関わらず、自分は変わっていない状況に焦りを感じていたのだと思う。

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気づいてから、月一でいろんな場所に出かけることにした。でも、私の職場は不定休で長期の休みなんてとることができず、観光にすぎなかった。そのうちに長期的に滞在したいと感じるようになり、その時初めて、「辞めたい」という感情を抱いた。

でも、仕事を辞めるという不安に加え、「とりあえず3年は働かないと」という周りからの重圧もあって、私は自分の気持ちに素直になることができなかった。結局同じ街で同じような日々を過ごしていた。

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でも、ある時そんな自分と向き合う時が来た。

きっかけはなんでもない。サウナに入っていた時のことだった。

「思えば、挑戦をしてこなかった人生だった。受かる大学を選んで受かる就職先を選んだ。今だってそう。海外に行きたいけど、今の職場を離れて海外に行っても、経験がないから帰ってきた後どうなるかわからない。十分なお金もない」なんて考えていた。

すると何でも「ない」と言っている自分に妙に腹がたってきた。

周りと比較する自分、周りと差が生まれることを怖がっている自分。自分で選択できない自分。そもそも周りとは何か。私は私でいい。今、決断しないと一生自分に対して素直になれない気がしてきた。その瞬間、私は仕事を辞めることを決意した。

決めてからはあっという間だった。誰に何の相談もせず、「辞める」と伝え、これから先のことは何も決まっていないのに辞めることにした。

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思えば今の彼氏も好きだから付き合っているわけではなかった。周りがみんな付き合っているからなんとなくという理由だった。それは相手にとって失礼なことだから、お別れすることにした。

社会人になって2年半。私は自分が子どもの時に思い描いていた人生を歩んでいくのを止めた。正直に言って、今からのことも全く考えていない。これからの仕事、住む場所、パートナーのこと。目的地が決まっている旅は計画できて楽しい。目的地が決まっていない旅はその時その瞬間の自分の選択や気持ちで行く場所が大きく変わる。

正直不安は尽きない。でも、自分の気持ちが正しい方向に導いてくれるはずだ。
THIS IS ME これが私の人生だから。