なんだか疲れてしまった。
2年半くらい付き合っていた彼に振り回されたり、それで1人、泣いたり傷ついたり。
遠距離で2年くらい経過した結果、いつしか、2人の間に埋められない溝ができてしまった。
距離が離れても、私の愛情はずっと一定だったが、それは一方向のものだった。
変わらず東京で働く彼は成功に向け、どんどん目の前の仕事や昇進に夢中になっていった。
それで、いつからか、私と会う時間は無理して無理やり作らないといけないものになり、私は自分をないがしろにされている感じがしてしまった。
彼との関係が冷めるきっかけになった最後のLINEは、「私が東京に戻るから今月会おう」という内容に対し、「時間いつ作ればいい?忙しいんだけど」だった。いつもなら、「いつ帰ってくるの?」というような返事だったのに。
◎ ◎
一体、私の何が原因だったんだろう。
私は思い当たる理由がなく、1人で悶々としてしまった。それからも、何通かLINEを送ったが、既読にもならず、1人でみじめな気持ちになった。
そんな気持ちになるたび、前職時代のアジア人女性の先輩に、「あなたは外国語もできて、可愛いんだから、もっといい男いる。なんでそんな人と付き合ってるの?自信持って」と言われていたのを思い出す。前職のグローバルチームの女性の先輩と会うと、いつも「性格が良くて可愛い」と、会っている間ずっと褒めてくれ、一緒にいると自己肯定感があがる。
「大事にされる」って、こういうことだったんだ……。と、女性の先輩とランチしていたかけがえのない温かい時間を思い出す。
思い出しては、一向に返ってこない彼からのLINEに、「私は、なんでこんな人と一緒に2年も遠距離で過ごしてきてしまったんだろう……」と1人絶望してしまった。2年半もかけ、そんな選択しかできなかった自分に、悔しさと怒りと、やはり「傷ついた」と悲しさがこみあげてきた。
◎ ◎
それから2年半、私は恋愛恐怖症で、自分から出逢いをつかみとりにいかなかった。心のどこかで恋愛を遠ざけていたのだと思う。
もう、間違った相手に勝手に一方的な恋と期待をして、絶望したり傷つきたくなかった。私はいつだってピュアだし、真っ直ぐだし、きちんと相手と向き合いたいし責任も取りたい人間なのだ。
私は東京を離れて、初めて付き合った彼と別れてからの2年半、誰とも関係を築かなかった。でも、今年になり30歳を前にして、再び歩みを進めようと年齢の強制力が働き、結婚前提の彼を見つけるように動き出した。
正直、重い腰をあげての活動だったが、マッチングアプリで20人くらいと会って、自分が思っていたより素敵な人が多いんだ、もっと早くに色々な人に目を向けていればよかったんだ、と身が軽くなった気がした。
今の私だから言える。2年半前の当時の私は、当時の彼と結婚したいと一途に思っていたが、彼と別れてよかったと。そして、もっと2人の関係がプラスに働くような関係をお互い築ける、新しい彼と出逢えて良かったと思っている。