私は小さい頃から、結婚したら相手の名字になれることを嬉しいと思ったことは一度もありません。
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なぜなら私の名字は母が守って繋いだ大切な名字だからです。
私の母は四人兄妹の一番下。
長男は生涯独身を選択。
長女、次女はお嫁にいき、私の母も一度は嫁いだけど私が二歳の時に父の名字から母の名字へ変えたそうです。
なので私の母子手帳には、父の名字が二重線で消されていてその上に母の名字が書かれています。
小学生の時にそのことを伝えられ、不思議に思いながらも、私には名字が二つあることが嬉しかった記憶があります。
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ただ、昭和時代を生きてきた父と母。二人の間では名字を変えるまでにたくさんの戦いが起こったとも聞いています。
私の父は二人兄弟の長男で、この時代、長男が婿養子になることは珍しい事だったので祖母はかなり怒っていたようです。
幸い、弟が名字を継いでるので今はなんとか解決しています。
母はなぜそれほどまでに名字を守りたかったのか、この話をすると母はいつも機嫌が悪くなるので、直接は聞けません。
私の推理では、私が二歳の時に母方の祖父が亡くなっているので、祖父との繋がりを形に残したいと思ったのではないか、悲しみに暮れる祖母を少しでも笑顔に、安心させるために変えたのではないかと思っています。
ただ、この一件で母と父方の祖母は疎遠になり、同居予定でしたがそれも解消。
家族内で祖母の話をすることは厳禁。
小さい頃から母に祖母の話はしないようにしたり、祖母の家に遊びに行くことは秘密にしていましたし、今でも秘密にしています。
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そこまでして大切に繋いでいるからこそ、私も繋ぎたいと小さい頃から心の中で思っています。
そんな私ですが、八年前に結婚して名字が変わっています。
顔合わせの時に婿養子の話をしましたが、私の父が思いを告げても、夫の親は首を縦に振らずで話が一向に進まなかった為、仕方なく名字を変えました。
私には三つ上の姉が一人います。家族全員が姉に全てを託せればと思い、そのときは引き下がりました。
現在姉は三十四歳、婿養子を探している最中です。
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ただ、そもそも結婚が全てではないし、全責任を負わせていいものか?私には七歳の息子がいるので、私が継げば息子の代まで名字は繋げることができるのではないか。
そんな考えを常に持ち、年々強くなる意志。
何年も夫に名字を変えたいと伝え続けています。
夫は私のこの強すぎる思いと、しつこさに諦めがついたようで、どこかのタイミングで変えていいよとは言ってくれています(実際はわかりませんが)。
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なので私は母の守り続けた名字に戻すことを今も諦めていません。
本当は義父母とも仲良く平和にいきたい気持ちもあります。
二世代に渡り同じことが起こるのではないかと今でも怖いです。
それでも戦う準備はいつでも出来ています。
8年前、婚姻届の提出日と本籍を義父母に逆らい勝手に変えてしまったこと。
顔合わせの時には私からは緊張して伝えることができなかった思い。
今度はちゃんと自分の口で説明して、納得してもらった上で名字を変えるようにしたいです。
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"なぜ嫁側が名字を変えることが当たり前の世界なのか”
女性側にも同じくらい、それ以上の大切なおもいがある。
50:50の考えになること、夫婦別姓が通用する世界が早く来ることを願っています。