私の体はコンプレックスばかり。かろうじて150センチあるくらいの低身長で、スタイルがよく見えない他、男性社員に囲まれて働く日常生活でも不便を感じる毎日だ。
だからこそ、太りたくない、痩せていたいとも思ってしまう。BMIなどの数値で見るともっと太るべきなのだろうが、身長が低いのだから体重も少なくあるべきだと思い込んでしまっている節がある。背筋を伸ばしていい姿勢でいれば、多少はスタイルがよく見えるだろうに、猫背をなかなか直すことができず、下腹ぽっこり、背中も丸まってしまっている。
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さらに体型だけでなく、肌の悩みも多い。私は社会人になって、アトピーと診断された。
幼い頃は、肌の弱さの遺伝が危惧されていたものの、特に肌荒れに悩まず過ごしてきた。しかし大人になって、首や肘裏、手首などを掻きむしるようになったため、受診した結果、アトピーだった。今では薬の効果で一時よりはましになったものの、全身に広がったかゆみのせいで、お世辞にも綺麗とは言えない肌をしている。
焼けやすく、元からやや浅黒い肌もコンプレックスだ。日焼け止めをきちんと塗っても黒くなるし、冬場ですら周りと比べると綺麗な白い肌をしていないのがわかる。
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そして、毛の悩み。これには恥ずかしい思い出がある。
年頃になって、次第に生えてきた口周りの産毛や脇などの処理は、母に教わりながら気にするようになった。しかし、腕や足、指などのいわゆるムダ毛というものには無頓着だった。
その理由の一つが、母が剃らない人だったからだ。毛深いといいつつ、処理せず伸ばしているのを見ていた当時の私は、そのことに何の違和感も感じなかった。
処理すべきものと認識できなかった。たとえ一番身近な母がそうだとしても、TVや雑誌で見る女優さんや友達の腕は白くつるすべだったのに。
私が気づいたのは、無垢な中学の後輩の一言だった。
「先輩って、腕毛剃らないんですか?」
このようなデリケートな話題は仲の良い友人同士でもあまりしないため、彼女の一言は私にとって衝撃だった。普通女子は皆剃るもの。知らずに生やしていた私は恥ずかしくなった。それからというもの、風呂にこっそり小さなT字カミソリを持ち込んでは全身のムダ毛を剃っていた。剃らない母には相談できなかったし、知られるのも恥ずかしかった。
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今は、まだ小中学生のうちからムダ毛を気にしだし、親子で脱毛を検討する場合もあると聞く。対してそれに異を唱える人たちもいる。ボディポジティブという言葉を掲げ、ありのままの自分を受け入れようとする動きがある。
そんな中、私は毛について恥ずかしい思いをしたということを知ってほしかった。誰かに聞いてほしくてこうしてエッセイにしたためた。
私は、人の視線を気にしたりはしない。けれど、性格、言動や見た目、全てひっくるめて自分が好きな自分でいたい、をポリシーに掲げているがゆえ、自分の姿を見て醜いと感じたりするのは耐え難い。
そのため、コンプレックスだらけの私だけど、自分のための努力は怠りたくない。女として生まれついたからこそ生涯理想を追い続けるだろう。