私は正直、胸が大きい。女性として胸が大きいことは魅力のひとつなのかもしれない。けれども、私はそれを1番のコンプレックスだと思っている。

高校まではずっと共学だったが、大学は女子大を選んだ。どうしても上京をしたくて、東京の女子大。

高校時代、女友達といるのがすごく楽しかったからというのと、東京の男子はチャラチャラして怖そうという偏見まじりの適当な理由からの選択だった。

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女子大生活は本当に楽しい。人目を気にしなくてよくて、今までの人生で1番、自分らしく生きている気がする。朝はギリギリに起きて、メイクをする日なんてほぼない。高校生の時の方がいわゆる「バレないスクールメイク」を頑張っていたほどだ。

女子大ゆえか、東京ゆえかは分からないが、女子大は女子校出身の子が多い。

共学ではあり得なかった「生理」という言葉を普通の声の大きさで言い、ナプキンの貸し借りも堂々と行う。女子校出身の子は性の話にオープンだと思う。それに下品。共学出身の私はカルチャーショックを受けつつも、その子たちと話すのを楽しんでいた。

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けれどもある日、女子校出身の友達と話していて居心地が悪いことがあった。「胸大きくなりたい」と言っていた友達がいた。「なんで?意味分かんない。恥ずかしいよ」って口にしてはいないが心の中で思っていた。胸が大きいことは私にとって、本当に恥ずかしいことでしかない。

胸が目立つのが嫌で、身体のラインに沿うようなぴたっとした服は着れない。1人暮らしを始めてからは、ネットで胸を小さく見せるブラを検索して購入するようになった。それほど恥ずかしいことなのだ。

チャンネル登録している女性YouTuberが筋トレ系の動画と共に、バストアップのための動画をアップしていたりすると、不愉快になったりもする。こんなにも私は嫌なのに、なんで胸が大きくなりたい人もいるのか、意味が分からない。

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たぶん、胸が大きいのが嫌になったのは、小学生の時から。お母さんやおばあちゃんの前で着替えなければいけない時があって、下着姿になると「グラマーだね」と言われた。

お母さんもおばあちゃんももちろん悪意があったわけではない。ただ、私は「グラマー」。この単語の響きが気持ち悪くてしょうがなかった。それ以来だと思う。胸が大きいのが嫌になったのは。

男性からは性の対象として見られる。女性からも視線を感じてしまうこともある。嫌で嫌で嫌でしょうがない。普通の胸の大きさの子が本当に羨ましい。

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他にも、私にはコンプレックスが多い。元々自己肯定感が低く、他人と比べてしまうことが多い。けれども、最近はどんな自分も好きでありたいと思っている。自己肯定感が低かろうが、それが私。そんな自分すらも好きでありたい。

胸の大きさを気にして、隠そうとする私も私である。これが自分らしさとあえて強調なんかしなくていい。これからも自分のやりたいこと、好きなことを好きなだけして生きていきたい。