何度だって書き出せばいい。休むことが怖い私を救った言語化の効用
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言葉にする時、たいてい相手がいて、その人を想いながら自分の気持ちを表現することが多い。また、言葉は書き出して使うことも多く、自分の考えを整理するのに適している。しかし、一方でこんなパターンもある。休むのが怖い、だから休むことのメリットを“言葉にして”書き出してみよう!と。
きっかけは、最近になって休むことが恐怖へと変わっているに気付いたからだった。この時期は就活シーズンに差しかかっていて、おまけに真面目な大学に通っていることもあって、周りには常に努力し体力もある人が多い。
そんな中、私は体調を崩してしまった。普段はあまり体調を崩さないほうで、珍しく風邪のような症状だった。12月に入ってもなお暖かい日が続いていたが、急に寒くなったことが原因と考えられる。はじめは寒暖差アレルギーかな?と思い、その日は少しだけ早く寝ることとし、次の日の週初めからは大学に通いながら徐々に回復させていった。が、5日ほど経ってほぼ治りかけている状態の時に、アルバイトが入っていた。そこで声を枯らしてしまった。
声を枯らしているのだから休めばいい、そう簡単に思うことがこの時にはできなくなっていた。「声を枯らしているだけでパソコンは触れるし、毎日やることだって決めてある」「全部はできなかったにしても課題はやろう」こうして気付けば、声が出ない状態で土日まるまる2日間を過ごしていた。そして、とうとう声が出ないことに怖くなって、頑張っていることが逆に悪循環になっていると気が付くと、悲しくて涙がこみ上げてきた。どうして、声が枯れてしゃべれなくなったのに休まなかったのだろう?と後悔したし、このまま悪化して声が出なくなったら(少し大袈裟だが)どうしよう……と喉が痛み眠れない夜、急に不安が襲ってきた。
初めてだった。ここまで休むことに抵抗を感じ、選択肢から休むこと自体なくなっていたのは。でも休まなかった理由は薄々わかっていた。それは周りが頑張っている最中に、自分だけ休むのが怖かったからだ。色々と怖くなった次の日すぐに病院に行ったが、改めて休まなかったことに心配を覚え、スマホで【休むことが怖くなる】と検索をかけた。そうしたら、結構同じような悩みを抱えた人が多いと知った。さらに、そのサイトには休むことで得られるメリットを言葉にして書き出してみると、自分自身が休むことに納得できるようになると書かれていた。
えっ!そんなことでいいんだ!と驚いたが、同時にいい考えだとも思った。休む=頑張れていないと勝手に頭で思い込み、休むことが怖くなっていた私には休む=頑張るために必要なことへ変換させる必要がある。実際、言葉にして書き出してみると「疲れがとれる、リフレッシュできる、視野が狭くなりにくい、体調を崩しにくくなる、作業効率があがる」と、これを見ただけで本当に休みたくなってきた(笑)。
やってみる甲斐はあった。それに、恥ずかしながら言葉にしたことで、休むことは当たり前であると思い出した。急激に意識が変わることはないにせよ、もしまた怖くなったら何度だって書き出してみればいい。言葉がもつ力の大きさは計り知れず、言葉があることによって良いも悪いもある。でも、こうして言葉で自分を救ってあげられるのは意外な発見だった。私のように言葉にすることで救われる人が増えてほしい、そう思ってこのエッセイを書いたのでした。
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