中高と、オーケストラ部に所属していた。その演奏会が毎年ちょうどクリスマスかクリスマスの直後にあったから、クリスマスは毎年楽器を弾いて過ごした記憶がある。

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わたしたちの学年は割と仲が良く、練習や本番の合間に毎年プレゼント交換会をしていた。予算を決めてプレゼントを持ち寄り、音楽をかけながら輪になってプレゼントを回して、音楽が止まったタイミングで持っていたものが自分のものになる(今思うと、音楽を止めてくれる役を担ってくれていた先輩や後輩には感謝しかない)

予算は中学生の頃は1000円、高校生になると2000円だった。タオルハンカチや入浴剤といったかわいらしいものから、ドンキで買った得体の知れない被り物などのネタ枠まで、バラエティに富んだプレゼントが次々に開封される、あの時間が好きだった。どれを誰が持ってきたのかを言い合ったり、選んだ理由を話したり。同じ学年の誰か、という漠然とした相手にプレゼントを選ぶのはそれなりに難しく、毎年新鮮に悩んだし、同期たちも同じように悩んでいたようだったのが嬉しかった。

毎年当たり前のようにプレゼント交換会をやっていたので、他の学年のひとに驚かれることも多かった。仲が良いねと笑われるか、本気で羨ましがられるかのどちらかの反応に分かれた。その反応を見ることで、プレゼントをもらえることそのものの魅力に気付かされた気がする。あの頃のクリスマスが、あのプレゼント交換会が、今のわたしのクリスマスのイメージに大きな影響を及ぼしている。

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去年と今年、サンタとして、こどもたちのところに何回か行っている。小柄だし、女性だし、絵本に出てくるようなサンタではきっとないけれど、プレゼントをもらえるってたしかにしあわせの形のひとつだと思うから、それをひとりでも多くのこどもに届けたいと思う。ボランティア活動の一環なので、ひとに話すと「えらい」とか言われることが多いけれど、むしろわたしの方がしあわせなあったかい気持ちになれる。出会うこどもたちはもちろん、そこで仕事をしてこどもたちにしあわせを届けようと奮闘しているひとたちと関わることでもしあわせをもらっている。善性と表現できるだろうか、その人たちの想いに触れるとちょっと泣きそうにすらなる。

今のわたしは大人数で集まることも、そこでなにか楽しいことをすることも苦ではないし、むしろそういうことを進んでしてきた自負がある。だからこどもたちのところに行くような活動にも積極的に参加できるし、それをわたし自身の喜びとして受け取ることができるのかな、と少しくすぐったく感じる。

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高校生の頃のわたしは今ほどは人間関係をうまくやれていなくて大人数はあまり得意じゃなかったけれど、今あのクリスマスに戻れるのなら、きっと部活全体でもプレゼント交換会を企画していたと思う。同期も先輩も後輩もパートも飛び越えた交換会。ものすごく人数が多いからきっと大変だろうけれど。それでも、そこで生まれたであろう新たな出会いや嬉しい気持ちを見たいと思う。