私は小学生の頃からずっと「犬を飼いたい!」と口うるさく親に言ってきた。
私は可愛い動物が大好きで、犬でも猫でもウサギでもどんな動物でもいいから一緒に過ごしたいとずっと思っていた。母親も私も家族のみんな、動物は比較的好きな方で、母親は犬を飼うことには賛成で、私を支持してくれていた。
しかし、なかなか父親の賛成はもらえないまま、時が経っていった。私は犬を飼っている友達の家に遊びに行けば行くほど羨ましくなるばかりだった。私は中学生になっても、高校生になっても、ずっと「犬飼いたい!」と言ってきた。
「犬がダメなら猫飼いたい!」とも。しかしやはり父親の承諾は貰えないまま、2023年、大学生になった。
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大学に入ってから私は人生初のアルバイトを始めた。ただただ自分の暮らしを豊かにしたい一心でアルバイトで稼いだお金はなるべく貯金してきた。すると、知らない間にかなりお金が貯まっていた。もしかして、このお金があれば犬を飼えるのでは…?ネットで調べてみたら犬種にもよるけど飼えないことはなさそう。
そして大学2年になってから私は再び父親に「犬を飼いたい!」と伝えた。しかしやはりそんな簡単には承諾はもらえず…。父親を説得したいがために、父親に動物の番組を見せたり、動物番組を見ながら必要以上に「え、あの子めっちゃ可愛い〜」とうるさく言ってきた。
そして私は最終手段をとることにした。いつもは「犬飼いたい!」で終わらせているところに加えて、「私貯金あるから自分で払える!」とも伝えた。私の説得が効いたのか、父親も犬に愛着が湧いてきたのか、ある休日、私をペットショップに連れていってくれた。ペットショップ行く途中、父親はこの近くに豆柴専門のブリーダーさんがいるらしいよ、なんて言っていた。他にも犬飼うなら犬用の防災グッズとかも用意しとく必要あるんだってよ、とも。なんと父親は自分でも犬のことをたくさん調べていたみたいだった。もうこれは犬を飼う流れになっているのではと思い、ワクワクしながらペットショップへ向かった。
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そしてそこで出会った豆柴を家に迎え入れることになった。この時、犬を飼うのには、犬だけでなく、犬が生活するために必要なもの、そして、保険代と、私の貯金だけでは全部払うことが出来ないことに気づいた。それから私は今大事な家族のために毎月貯金をして、大事な家族のために私のバイト代を使うと決めた。今日もこれからバイトに行ってくる。
やっぱり長年言い続けたことも大きいのだとは思うが、自分がお金を稼げる年齢になったのも要因としては大きいかなとも思いつつ、自分の願望はちゃんと言葉にして伝えれば実現できるのだと実感した。
次にまた同じようなことがあったら、もちろん言葉にしたい。今度は猫やうさぎを飼いたいと思う時も来るだろうし、またその時はちゃんと言葉にして伝えたい。ちゃんとお金を稼いでから。言葉にすることで自分が発言したことに対する責任感をもつこともできるし、言葉にしたのだから、ちゃんと自分で愛情をもって一緒に暮らしていこうと思える。
だから何事も言葉にした方が良いと思う。