私は愛に囲まれて生きてきた。
いじめられたり仲間はずれにされたりしたことももちろんあるし、もう生きていたくないと思ったことは何度もある。
だけど根本は私にベタベタに甘い家族と親戚と、優しい友達に囲まれて育ってきた。
特に同調圧力から抜けられる高校と大学ではいい友達としか知り合わなかった。

◎          ◎

高校は制服が可愛い偏差値55くらいのところで、大会のないゆるいバトン部だったから、ご機嫌な女の子ばかり。勉強して入った甲斐あって頭のいい友達ばかりの大学、たまたま入ったサークルやインターンは海外や法律と教育だったからコミュ力も高くて世界や誰かのために何かをしたいという人たちばかり。

本当に本当に、愛に囲まれた幸せな学生生活だったと思う。
だからこそ、ノルマや資本主義重視の営業職や仕事で知り合った腹黒い変なヤツや嘘に耐えられずキャリア形成に失敗した。

どこかのお客さんや日本や世界のために新しいものやサービスを作って1人でも多くの人を幸せにしたかった。だけど、就活で嘘をついているような気がしてつまずいてしまった。

とある薬関連の仕事をしていた時、ものすごい額を顧客からとっていた。だけど薬ということは最後には患者さんがいて、さらに医療費は税金で賄われているということだ。そして会社は高給取りがゴロゴロいたし、私も新卒のわりに少し高かった(みなし残業45時間で30000円なのはどうかと思うが)。

そこに耐えられず逃走した。
次は公務員相手のノルマも何もなく前年踏襲の職業だった。HSPが入ってる私には見積もり書と請求書を2023年に変えるだけで楽ちんだったが、社員みんなの性格が黒すぎるという理由で逃走した。

◎          ◎

愛を受けて育ってきたから、この世は素敵な人たちでできていて、純粋な気持ちで働けると勘違いしてしまった。

ヒナみたいに周りからエサをもらいすぎていた側面もあるかもしれない。けど、私だって頭や体を使って勉強して、行動してきたつもりではあった。

だけどやっぱり、愛されて育った私にはノルマも資本主義も無理。
自分の成績のためにお客さんから予算を載せまくるなんて、そんなこと私にはできない。
それが普通だし、それで世界が成り立っているというのはもちろんわかってる。それができる企業が安くていいものを提供していて、お客にとっていい企業と見えることはもちろんしっかりわかってる。頭では。頭ではわかってる。

だけど私がそちらの立場に行けるかというとそうではない。
だから、私は買い物を工夫して、応援したい企業から買うことにした。
クルエルティフリー、フェアトレード、地産地消などがそれだ。

◎          ◎

忘れてはならないのは、前述した通り私はキャリア形成に失敗しているということだ。
四捨五入して30歳になるのに、役所で何かの申請資料を持って行った時に丸がつけられるのは低所得層。それなのに安いものではなく、高いけれど愛に溢れた物を購入している。

となると、お金が貯まらない。自分より他人優先みたいになっている。
自分が低所得層を脱して稼いでもっとそっちにお金を回すのもありかも、と考えたこともある。
もっと稼ぐということは少しでも上のポジションになることだと考える。となるとノルマが激しくなるだろう。
海外旅行にだって行きたいし、大学の時に学んでいた中東エリアのために何かしたいとも思っている。

結局何が言いたいのかわからない1本になってしまったが、私は地球や人々を痛めつける今の社会で生きていくのがつらい。

それは私がたくさん愛されて、優しさに囲まれてきたから。愛によって私は現代社会に適応できない価値観に育ったということだ。

物価高とか増税とかで首が回らないが、国産以外のものには手を出せない。そして激しいノルマは苦手だ。私の取り柄だった愛だけではもう生きていけない。私はこれからどうやって生きていったらいいのだろうか。