歯ブラシを長持ちさせる宣言から1年。今年もほどほどの力を大切に

「2024私の宣言」から早いことでもう1年。
私は昨年、こんな目標を立て、エッセイを書いた。
「優しい力で歯磨きを続けて、歯ブラシを長持ちさせる」
なんだ?このふざけた目標は!と思われるかもしれない。
しかし実はこの目標には深〜い意味がある。
私には昔から何事も力を入れすぎてしまったり、無駄にやりすぎてしまう癖がある。その癖のせいで今までの人生の中で数々の問題や失敗を引き起こしてきた。
その中の一つが、「新品の歯ブラシ、すぐダメにする問題」だった。
私は歯を磨くのにもいちいち力を入れすぎてしまうため、歯ブラシの毛先を開かせてはすぐダメにしてしまう。ずっとそんな感じなので毎度家族から「どんな磨き方をしたらそうなるの!?」と呆れられていた。
そんな窮地の私に去年の1月、祖母が秘密兵器をプレゼントしてくれたのだ。力を入れすぎると音が鳴る歯ブラシだ。
よし、今年こそは歯磨き怪力女から卒業だ!!優しい力で歯を磨けるようになれば歯ブラシを長持ちさせられるのはもちろん、何事もやりすぎてしまう癖も治るのでは?肩の力を抜いてほどほどの力加減で生きていけるのでは!?
前置きが長くなってしまったが、そんな想いを胸に、私は前述した目標を立てたのである。
さーて、それから1年経ったわけだが、私の歯ブラシはどうなっているんだろう……?
チラッ。
いや、めちゃくちゃ毛先開いとるやないかーーーーーい!!!!
関西出身者でもなんでもないのに思わず関西弁でつっこみたくなる毛先の開き具合。
はぁ、歯ブラシ買い直さないと……。
やっぱり人がすぐ変わるのは無理か……。
ん…でもちょっと待てよ、思い返せば2024年、歯ブラシのことで家族から全然指摘を受けていないよな……?
そういえば職場で毎日お昼ご飯のあとに使ってる歯ブラシも毛先が開いたからすぐ交換!みたいなことって2024年、全然なかったな……。
しかも職場で使っている歯ブラシは力を入れすぎても音が鳴らない普通のタイプの歯ブラシだ。
ちょっとずつだけれども私は歯磨き怪力女から脱せているのかもしれない。
確かに歯磨きの力の弱まりと比例するように日常生活でもやりすぎてしまうことや力を入れすぎてしまうことは、ちょっとずつ減ってきた気がする。
例えば、図書館で借りる本の数。
いつも一度に欲張って借りすぎた結果、読む気を無くし、結局読めないまま返却していた図書館の本を最近は1冊ずつ借りれるようになり、ちゃんと期限内に読破して返却ができるようになった。
あとは資格の勉強。
できないくせに無駄に張り切って「早く合格しなきゃ!」と無茶なスケジュールを立てていつも失敗していたけれども余裕を持ったスケジュールをやっと立てられるようになった。
ええ!それだけ!?しょうもない!と思われてしまうかもしれないが、私の中では大きな成長だ。
特に去年1年は、新しい職場に転職して、慣れない場所で1からまた人間関係を作っていて…と大変なことが多かった年だった。環境の変化が何よりも苦手でメンタルも決して強くない方の私がなんとかパンクせずに無事に2024年を駆け抜けることができたのは、今までよりも少し肩の力を抜いて生きていけるようになった証でもあるのかなとも思う。
2025年もこの調子で、ほどほどの力で過ごしていきたい。
そして2026年こそはきれいな状態の歯ブラシと迎えられますように。
歯ブラシと共に今年1年間もまた頑張っていきたい。
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