夫婦として、人生で大きな買い物をした、去年の夏。

それは、憧れだったマイホームだ。

◎          ◎

人生のイベントには、お金がつきものだ。あれも欲しい!これも欲しい!!と、お金は人間に理想を与えるだけでなく、欲深くもさせる。それでもその感情はコントロール出来るのが、人間の優れている特性でもある。

ビーチまで徒歩30秒という最高の立地にあったアパートメントでの生活。もともとは一人暮らし用のサイズだったアパートに、気付けば夫婦で2年半も暮らした。経済的にも優しいそのアパート生活で貯金をし、マイホームの夢が遂に叶ったのだ。

貯金が苦でない私たちは普段の生活は出来ることを出来る限りの範囲で節約しながら、貯金したお金は私たちの大好きな旅行費にまわす。

私たちに見合った予算と理想に照らし合わせて、やっと見つけたマイホーム。

予算と立地と近所の雰囲気と、譲れないポイントをいくつか挙げて、数件の内覧を経て2人で納得して決めたマイホーム。

ところで、新築戸建=憧れのマイホームではないアメリカのお家事情は?と言うと……。

現オーナーとの値段交渉や、不動産屋と弁護士を通しての法的書類手続き、家のローンや火災保険など、山のような書類の手続きがあった。実際に家の鍵を手に入れるまでに、スムーズにいっていた私たちのケースでも1ヶ月半もかかったものだ。逆に持ち家を売るとしても長いと2年、3年と時間がかかるとも耳にする。

そして、住宅ローンの金利が現在6.5%のアメリカ。毎月払っているお金は、果たしてローンを返しているのか、金利を払っているのか、訳が分からなくなるくらい高い利率だ。

◎          ◎

アパート暮らしの頃は出費を気にせずカードを使っていたが、食料品や生活用品の買い物に幾度に、値段をチェックして商品を見比べる機会が多くなった。アマゾンなどのオンラインショッピングでも、値段を比較して「質」より「安さ」に惹かれてしまう。

生活水準が変わっても、旅行は「お金で唯一買える、人生経験や一生の想い出」だという考え方は、今でも2とも変わらない。

お金と人生は、切っても切り離せない関係だ。お金を稼ぎ貯める難しさも、また、そのお金の使い道にも難しさがある。

私はそんなお金が大好きで、そんなお金が人を欲深くさせる一面があることに、時々憎らしさを感じることもある。お金に余裕があればあるほど、あれも欲しい!これも欲しい!と、人は貪欲になるものだ。持ち家が出来たら、家の家具を新調したい!とか、リビングの飾りはこうしたい!とか、キッチンにはこれがあったら便利だなぁ~!とか、お庭にはこれを置きたいとか。欲を挙げたらキリがない。

そんな時にこそ、自分だけにお金を遣うのではなく、家族のため・友人のため・他者のために遣えるお金を増やしたい!!と、改めて考えさせられるのだ。お金で手に入れられたマイホームに、家族を増やしたり、家族や友人を招き、心からのおもてなしをすることが、次の私たちの目標なのだ。