職がなくたって、肩書がなくたって、私という人間の魅力は消えない

今年、私は仕事を辞める。
今している仕事も好きだ。楽しいし、やりがいもある。
人間関係も良好だ。
しかし、いろいろあって、心身ともに疲弊している。
昨年は実妹との別れや事故に巻き込まれる、といったことがありそのストレスからか、体調も崩しがちな1年だった。
心身相関とはよくいったもので、心がしんどさを感じていると、体もつられて重たくなってくる。つもりにつもったストレスからか、20代にして人生はじめての胃カメラまですることに。
仕事をしなければ、生きていくことは難しい。お金がありあまるほどある大富豪なら働かなくてもいいかもしれない。
だけど、大切な人との時間よりも仕事が大事なわけがない。
生きるために、お金を稼ぐ。生きるために仕事をしているのに、仕事が時折私の人生の邪魔をする。
私は24歳。もう24歳?
いや、まだ24歳だ。
私をかわいがってくれている人生の先輩に悩みを相談すると、いつも
「俺からみたら24歳なんてまだまだガキだから!赤ちゃんみたいなもんだよ」
「君が羨ましいよ。若くてしたいこともたくさんあるんだし。なんだってできる」
と私の悩みを笑い飛ばす。
私はずっと「もう〇歳になってしまった」と、歳を重ねるたびに明確になにを、とは分からないけれど焦る気持ちがあった。でも、人生の先輩がそんな悩みを笑い飛ばしてくれた。そのおかげで私は、年齢を重ねることからくる根拠のはっきりとしない焦りから解放されたのだ。
___なんだってできる、どこへだって行ける。
そうか、私は「まだ」24歳なんだ。海外では、長期休み(バカンス)をとり、旅行や趣味、家族や友人との時間を楽しんだり、勉強をしたりする人も多い。しかし、私含め多くの日本人の労働者は長期休みを取りづらいのではないだろうか。私はほかの職種に比べれば長い休みをとりやすい方だが、それでも14日ほど。1か月以上気軽に休むことは難しい。産休や育休で年単位のお休みをもらうこともできるが、それは出産や育児といった目的があり、自由に使える時間がある休みとはいいがたい。
仕事をやめて、「仕事」自体をお休みする。社会人の夏休みをそろそろ自分に与えてもいいのかもしれない。
そう思うようになった。
幸い、私にはすぐに再就職できるあても、資格もいくつかある。
でもそれは、私が学生時代から今まで休まず頑張ってきたからだ。そろそろ自分にご褒美をあげてもいいはず。
だって一度きりの人生を楽しまなくっちゃもったいない。まだ、24歳だ。
今年は、エジプトにでも行ってみようか。スフィンクスをみてみたいから。北海道もいいな。長期休みがないとどちらもなかなか行くことができない。
もっとゆるく、軽やかに、楽しく人生を生きること。
それが私の今の目標であり夢だ。
仕事を辞めてもキャリアが消えるわけではない。少しの間職がなくたって、肩書がなくたって、私という人間の魅力が消えるわけじゃあない。
人生一度きり。2025年、生きるために、私は休む。
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