言葉には、私たちの心の中にある思いを他者と共有し、繋がりを生む力がある。しかし、その力をどう使うかによって、良い結果を生むこともあれば、予期しない反響を生んでしまうこともある。私の大学生活は、まさにその言葉の力を実感し、自己成長と向き合わせてくれる経験となった。

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高校時代はダンス部の部長やボランティアの活動を通して、充実した日々を送っていたが、大学に入ると授業とアルバイトに追われる毎日が続き、自己成長を実感できない退屈な日々が続いた。そんな中で、入学前に憧れていた大学のミスコンやチア部の廃止が決まり、後悔の気持ちが残った。自分に挑戦する場を失っていた私は、「学生のうちに自分に挑戦し、成長する機会を得たい」と強く思い、ミスコンへの参加を決意した。

最初は周囲に何も言わず、自分自身と向き合いひたすら黙々と取り組んでいた。自分の力を試したかったし、親や友達には結果を出してから伝えたかったからだ。しかし、SNSでの活動が広がり数字が伸びていく中で、最終選考に残ったことをきっかけに、両親に気づかれることとなった。ある日突然、「何か自分たちに言わずに取り組んでいることがあるんじゃないか?」と言われたとき、私はそのことを全く意識していなかったため驚いた。それでも、両親が「ここまで残っていることや、自分自身で取り組んでいることはすごいね」と褒めてくれた瞬間、私はこれまで黙っていた自分の行動を言葉にすることの大切さを実感した。

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この経験を通じて、言葉にして良かったことは、周囲のサポートを得られたことだと思う。両親は私の変化に気づきながらも陰ながら応援してくれていたことを、改めて知った。そして、私が挑戦していることを伝えたことで、彼らから「応援するよ」「できることがあれば協力したい」といった温かい言葉をもらい、より一層力を得ることができた。自分の思いを伝えることで、他者の支えを感じ、さらに強くなることができたのだ。

一方で、言葉にして悪かったこともある。最初は周囲に言わずに取り組んでいたため、後になって気まずさを感じる場面もあった。友達にこの活動について伝えた(バレた)ときになんでもっと早く言わなかったの、自分たちは信頼されていなのではないかというような空気感を感じたからだ。自分の挑戦を隠すことで、逆に周りとの距離を感じてしまう瞬間であった。しかし、その経験を通じて、言葉にすることで他人との関係が深まることも理解できた。周囲の支えがあってこそ、自分はより大きな成長を遂げられるのだということを実感した。

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言葉は、ただ情報を伝えるだけでなく、自分の気持ちや思いを形にして他者と繋がる大切な手段だ。言葉にすることで得られるサポートや共感は、私の成長に欠かせない力となった。今後も、挑戦心を忘れず、言葉を使って自分の思いや目標を伝え、周囲との絆を深めながらさらに成長していきたいと思う。この経験を通じて、言葉には想像以上の力があることを改めて感じ、これからもその力を大切にしていきたい。