休職がもたらした心の変化。自分のペースで、今の自分にできることを

通い慣れた病院にいつも通り予約をとり、病院に向かった。そしたら、中は真っ黒で壁の外に張り紙があった。その張り紙の内容は、私の担当医が解雇されたこと、他の医師が全員体調不良で出勤の目処が立たないことが書かれていた。
私は担当医が心の拠り所だったため、どうしたら良いか分からず、数分ドアの前で立っていた。
インターネットで調べると、当日行ける病院が見つかり、まずはそこを受診した。その後、私の元担当医だった先生の病院を訪ねた。しかし、システムが前の病院とは違い、結局別の病院を探すことになった。
その一件で私は精神的に不安定になり、仕事にも集中できなくなった。まだ、病院が決まっておらずソワソワして、このままでは会社に迷惑かけてしまい、私にとっても良くないと感じた。
社長と話して、少しの間休職をすることにした。しかし、休職となると私生活が乱れると思った私は、社長に毎日少しの時間、職場にお手伝いをしに行っても良いか聞いた。社長や上司からは、「もちろん良いけれど、自分の体を第一に考えてね。当日しんどかったら気楽に休んで良いよ」と言われた。そして、私の休職生活が始まった。
朝は決まった時間に起き、午前中は家でゆっくりして、昼過ぎに職場に出向きお手伝いをする生活を送った。お手伝いをすることで、周りからも感謝されて社会に貢献していると強く思えた。体調も安定したように感じたので、復帰した。
しかし、大きな壁にぶつかった。今まで長年通っていた休業中の病院で処方されていた薬の量が異常に多く、これから減らしていくと新しい担当医に言われたのだ。復職してから新しい病院が決まったため、話し合いがきちんとできておらず、薬の影響で仕事のパフォーマンスが下がることもあった。また、休職中のお手伝いは短時間だったため、いきなりフルタイムは体力的にしんどかった。そういうことがあり、再び休職することにした。
今度は、担当医としっかり話し合い薬を調整し、お手伝いの時間も少しずつ長くしていき、安心して週5〜8時間働けるようになってから復職をするつもりだ。
さらに、ショックなことがあった。私は障害福祉の仕事をしているが、そのキャリアアップに必要な講座に申し込み、いざ受けると体調が悪くなったのだ。私は、吃音症、社交不安障害、うつ状態、ADHDであるため、講座形式の授業が苦手だった。10分たたないうちに体調が悪くなり、このコースはキャンセルした。10万円以上かかる講座だったのでとても悔しかった。
また、将来目指しているサービス管理責任者になれないんじゃないかという不安も大きくなった。担当医に相談したところ、お薬を変えてもう一度挑戦するように言われたが、完全に移行するまで半年以上かかり、次受けるのがラストチャンスだ。自分の夢を叶えたいのに自分の障害が邪魔をしているのが苦痛だ。
そんな思いで職場に向かい利用者さんと接していると、気持ちが変わった。私が資格を取れなくても自分ができることをして、目の前の利用者さんが成長できるようにサポートしようと、勇気をもらった。今では、焦らずゆっくり自分のペースで元の職場に戻れたらと思っている。
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