もうよそ見はしない。今年こそは「書くこと」に向き合う1年に

とにかく、自分の世界と可能性を広げよう! 2024年は、そう思って動き回った1年でした。
2023年は、ひたすら仕事に打ち込む日々。「家と会社の往復」というありきたりな表現が、ぴったり当てはまるような1年でした。その反動のように、2024年は年始めに会社を辞め、身軽に動くことを決めたのでした。
急に"時間持ち"になった私は、友人たちに誘われたイベントなどにはことごとく顔を出し、そこで知り合った人たちと語り合いました。
その結果、会社を辞めてから新しく出会った人数は、150人以上。さまざまな世代の人と交流するうち、"会社員"という生き方だけしかないのでも、それが正解でも不正解でもないことを学びました。むしろ答えは、沢山あったのです。
自分の世界と視野が広がるのを感じました。どんな風に生きても正解で、大人になったからって、つまらない生き方をしなくてもいい。自分の心に従って、自分のやりたいことをやっていい。選んでいい。
私は、自分の生活や人生が、何だか豊かになったような気がしました。そう、私の世界は、確かに広がりました。でも、ある時ふと思ったのです。私自身は、結局のところ変われているだろうか、と。
沢山の人と会って、沢山の生き方を吸収して……。立ち止まる時間もないほど、新しい人たちと出会ってきました。けれどそれは、言うなれば、他人の人生を外から眺めているにすぎないのです。オンライン上ではなく、実際に顔を合わせているだけマシかもしれません。でもそれは、SNSのタイムラインを無限にスクロールしているのと、結局のところあまり変わらないような気がしました。
私、何がしたかったんだっけ。
画面をスクロールする手を止めるように、私は考えました。2024年の終わり頃から、少しずつ友人たちの誘いから離れ、活動量を減らしながら、この1年を振り返りました。
すると、色々な人に会って話せば、自分の生き方の答えが見つかるのではないかと期待していたことに気がついたのです。私は、どこかに"正解"があると思って、色々な人と会おうとしていたのかもしれません。
でも、どんな生き方をしても正解。
それが分かった今、他の人たちと話したり、関わる人数を増やしたり、他の人の作り上げたものに参加したりすることだけが、私のやるべきことではない気がしました。むしろ、自分の本当にやりたいことに時間とエネルギーを割くべきだと思いました。
確かに、これは自分の世界が広がったからこそ考えられたことかもしれません。私が2024年に知り合った人たちとの出会いの1つひとつがそう思わせてくれるのだと思います。自分もこういうことがしたいとか、ワクワクして生きたいとか。
でも、もうよそ見は終わりです。
私は、会社を辞める時、次は「書くこと」を仕事にしようと思っていました。そのため、2024年は、ライティングの勉強をしたり、エッセイの書き方を学んだり、インタビュー記事を書いたりしました。
でも、それは片手間でやっていたにすぎませんでした。実際、「書くこと」はお小遣い程度にしかなっていません。仕事にはなっていないのです。だから、今年はもっと、「書くこと」に向き合いたいと思います。
もちろん、たった1年で文章が上達するとは思いません。むしろ、文章と向き合うことはライフワークとでも言うべき、長い時間をかけるものだとも思います。
けれど、経験や見聞を増やすより、今年は「書くこと」に注力すべきだと思ったのです。口頭での会話を重ねるより、世に出版された本から情報を得るべき気がしたのです。
だから、今年こそは沢山読み、沢山書こうと思います。その時、2024年の経験や思い出も、いいネタとなって、私の「書く」を後押ししてくれるでしょう。
そう、昨年の自分が間違ったことをしていたわけではないのです。それどころか、昨年の自分は、確かにやりきった。今、そう思っているのと同じことを来年の自分が思えるように、よそ見せずにやるべきことに注力する年にします。
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