日本の技術を学び描かれた凧。香港の空を悠々と飛ぶ姿に思いを馳せる

私は新聞が好きだ。事件やニュースを知ることが出来るから、というのもあるが、それ以上に「広い世界を見せてくれる」という側面を好いている。
出不精で思考が偏りがちな私に、こんなことに取り組んでいる人がいるんだ、こんな活動があるんだ、ということを教えてくれる。
昨年読んで、なんだか嬉しくなった記事がある。
日本最北端の地・稚内市で、香港の絵画講師が凧作りを学んでいるという内容だ。身振り手振りや辞典、スマートフォンの翻訳機能を使いながら、制作歴50年以上になる凧揚げ名人から指導を受けているそうだ。
日本で学ばれた技術が、国境を越えて空を飛ぶ。その様子を思うと、ちょっと晴れ晴れとしたような、誇らしいような気持ちになった。
私は北海道の札幌に住んでいるけれど、いくら道内とはいえ、稚内は遠い。運転スキルを持たない私がそう簡単に行ける場所ではない。それでも、こうして紙面を通じて異国の地との繋がりについて思いを馳せることは出来る。
なんの力も無い私なりに、香港の空に悠々と凧が飛んでいてくれたら、そしてそれで香港の人々が笑顔になっていてくれたら、と願った。
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