人を頼れなかった私が「すみません、より、ありがとう」に気付けた日

最近私は「人を頼れない自分」を卒業しました!
小学生から高校に入るまで優等生街道をひた走ってきた。本を読むのが好きで、勉強はやったらやっただけできたので、悩むこともなく怒られることもなく、能天気に暮らしていた。
が、高校に入ると勉強がかなり難しくなり、成績はかなり下がった。
特に数学が苦手だったのだが、先生に質問したり友達に教えを請うことができなかった。
どこがわからないかがまずわからないので、それで他人の時間を使ってしまうことにものすごく抵抗があった。「こんなのもわからんのか、って思われるかな」とか「もうほんと申し訳ない……」などと思ってしまって、数学は苦手なままだった。
そんなこんなでずっと、わからないことがあればネットや本で調べる、初めての場所に行く際はめちゃくちゃ入念に事前に調べる、などで、なるべく人の助けを借りなくていいように過ごしてきた。
人の手を借りるのが申し訳ない、こんなことで時間を煩わせてしまっていたたまれない、という気持ちがずっと消えなかった。
また、私は人に相談もしない。大学受験も就職活動も会社を辞めることすらも、自分で決めてから親に報告した(今思うと私を信用してくれている両親に感謝しかない)。
仕事で理不尽なことを言われても、「自分が間違ってるからこんなに言われるのかも」と思って、なかなか人に相談できなかった。
あまりにも限界で先輩に話を聞いてもらったときに「みーこさんは間違ってないよ」と言ってもらったときは泣いてしまった。そのくらい相談に慣れていない。
そんな私が人を頼っていいんだと思えるようになったきっかけは、会社を辞めてから体調を崩したことだ。原因不明の頭痛に悩まされたり、皮膚炎のような症状が出たりで、やりたいと思っていることが何一つできなかった。
次の仕事を探すために色々やらないといけないのに、何も考えられない、とりあえず寝ることしかできない。
いっぱいいっぱいな自分をどうすることもできなくなったときに、ふと、「何もできない自分を受け入れて、人の手を借りるときが来たのかもしれない」と思った。
なんでもまずは自分でやらないといけないと思っていたけど、バカにされたとしても怒られたとしても、どんな恥ずかしい思いをしたとしても「すみません、助けてください」って言った方がいいなと気づいた。
そう思った私はハローワークの窓口の方の手を借りることにした。
何も準備せずに漠然と相談したら相手も困るかなと思ったので、めちゃくちゃ準備はしていったけど、素直に「こういう風な理由で辞めたんですけどどう書けばいいですかね」とか「どういう仕事がしたいとかは今ないのでなんかあれば教えてください」って言えた。
窓口の方もすごく良い方で、的確にこうした方がもっとよくなるよ、とアドバイスをくださって、そのおかげで就職先も決まった。
何かしてもらったときには申し訳ない気持ちで「すみません」っていうより、素直に笑顔で「ありがとう」って言えるのが素敵だなと最近気づいた。
せっかく「人を頼れない自分」を卒業できたので、これからはちょっとでも前向きに、必要以上に申し訳ない感を出さずハッピーに、それを心がけて生きていこうと思う!
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