去年、初めて1人で海外に行った。好きな男のお尻を追いかけてシンガポールまではるばると。

−−アイドルのライブ遠征である。

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日本のライブでは飽き足らず、どうしても「海外公演」というものに行ってみたかった。映像で見る海外のステージは熱気がすごくて、ボルテージが高そうで。一度この目に焼き付けてみたい!という胸の高鳴りが旅のはじまり。

これまで自分は全く海外に縁がないタイプだと思っていた。英語も苦手。だけど、そんなことはぜんぶ思い込みだった。せっかくだからと腹を括って現地の人になるべく自分から話しかけてみて、拙い英語だけど会話した。

なんだ、意外とできるじゃん、わたし。ちゃんと現地で楽しめてるじゃん。あんなに緊張していたのが、拍子抜けだった。

「自分の限界を決めているのは自分自身だ」とよく言うけれど、その意味がすごく理解できた。勝手にびびって得意じゃないと思っていただけなんだなあ。たった4泊だったけど、なんだか脱皮できた気分。本当にアイドル様様、シンガポールに連れてきてくれてありがとう、である。もちろんライブは大興奮で、身体中がほてって熱かった。叫びすぎて喉がおかしくなったのはまた別の話。

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旅行は、目新しい景色と自分を見られるのが好き。古い抜け殻はシンガポールに置いてきて、つぎはどこに行こうかな。